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管理職育成のポイント!あるべき姿とスキル習得から人材育成まで解説

2024.12.13 人材育成

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「管理職育成の研修を実施しているのに、なかなか成果が出ない…」
「新任管理職が部下のマネジメントに苦労していて、チーム全体の生産性が落ちている」
「ベテラン管理職の退職が続いているのに、次の世代の育成が間に合わない」

人事担当者の方は、こういった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

管理職の育成は、企業の成長を左右する重要な課題です。

しかし、育成方法が適切でないと、時間とコストをかけても期待する効果が得られないばかりか、優秀な人材の離職や組織の士気低下といった問題を引き起こしかねません。

特に近年は、働き方改革やリモートワークの浸透により、管理職に求められるスキルも大きく変化しています。従来の育成方法では、これからの時代に必要な管理職を育てることが難しくなってきているのです。

しかし、適切な育成方法さえ知っていれば、確実に成果を上げることができます。効果的な育成プログラムの実施により、以下のような効果が期待できます。

・組織全体の生産性向上
・優秀な人材の定着率アップ
・社員のモチベーション向上
・業績の持続的な改善
・次世代リーダーの早期育成

この記事では、管理職育成の重要性から具体的な方法、よくある課題への対処法まで、実践的なノウハウを詳しく解説します。

すぐに活用できる育成のポイントや、効果的なプログラムの作り方など、人事担当者の方に役立つ情報となっています。

目次

管理職育成が必要な理由

企業の持続的な成長において、管理職の存在は非常に重要です。

なぜなら、管理職は組織の生産性向上や人材育成、さらには経営方針の浸透まで、幅広い影響力を持つ存在だからです。

優秀な管理職がいるかどうかで、企業の未来は大きく変わってきます。

以下では、管理職育成が必要となる具体的な理由について、詳しく解説していきます。

【管理職育成が必要な理由】
・組織の生産性と業績を大きく左右する
・部下の成長とやる気を引き出す重要な役割がある
・経営方針を現場に浸透させる橋渡し役になる
・将来の経営人材を育てる基盤を作る
・優秀な人材の離職を防ぎ、長く活躍してもらえる
・新しいアイデアや事業を生み出すきっかけを作る

組織の生産性と業績を大きく左右する

管理職の育成を適切に行うことで、組織全体の効率が上がり、競争力も強くなります。

管理職は組織の中心的な役割を担っており、その能力や行動が組織全体に大きな影響を与え、優れた管理職はメンバーの強みを引き出し、協力し合える環境を作ります。

その結果、チーム全体の生産性が上がります。

効果的なリーダーシップを持つ管理職がいる部門は、いない部門と比べて生産性が高くなるのです。

部下の成長とやる気を引き出す重要な役割がある

育成された管理職は、チーム全体の能力向上とモチベーション維持に大きな影響を与えます。

管理職は毎日部下と接し、仕事の指示や助言を行います。適切な指導があれば、部下は効率よく仕事をこなし、新しい技能を身につけられます。

また、キャリア開発のサポートも可能で、優秀な管理職は部下の将来を考え、成長の機会を作ることができます。

これにより、部下は自分の将来像が明確になり、意欲的に仕事に取り組めるようになります。

経営方針を現場に浸透させる橋渡し役になる

優秀な管理職は経営層と現場をつなぐ橋渡し役として働き、組織全体の方向性を合わせることが可能です。

これには、以下のような理由があります。

【管理職が経営方針の浸透に大事な役割を果たす理由】
・管理職は経営層の考えを直接聞き、同時に現場の状況も肌で感じ取ることができる
・経営方針を現場向けに解釈し、具体的な行動に落とし込むことができる
・現場の声を経営層に伝え、より実効性の高い方針作りに貢献できる

多くの企業で経営戦略の実行が困難になる理由のひとつに、経営層の意図が現場に正しく伝わっていないことがあります。

これらの役割を果たすことで、管理職は経営方針の浸透に大きく影響を与えます。

将来の経営人材を育てる基盤を作る

管理職育成は、将来の経営層を生み出すための重要な土台となります。

管理職として経験する部門マネジメントや意思決定の機会は、経営的視点を養う貴重な機会となり、企業の持続的成長を支える経営人材の育成に直結しているのです。

経営人材に求められる広い視野と判断力は、一朝一夕には身につきません。管理職としての経験を通じて、部門全体の運営や、他部署との連携、経営資源の最適配分など、様々な経営的課題に触れることで、徐々に養われていくものです。

特に重要なのは、管理職時代に経験する意思決定の機会です。限られた情報の中で最適な判断を下し、その結果に責任を持つという経験は、経営者として必要な決断力を養う貴重な機会となります。

優秀な人材の離職を防ぎ、長く活躍してもらえる

管理職の育成は、優秀な人材の流出を防ぐ重要な要素です。部下の成長機会の創出や適切なキャリア支援ができる管理職の存在は、社員の定着率向上に大きく影響します。

特に若手やミドル層の活躍と定着のためには、管理職の育成が欠かせません。

優秀な人材が会社を辞めてしまう理由の多くは、直属の上司である管理職との関係というのも大きいのです。

管理職が部下の能力や意欲を十分に理解せず、適切な業務配分や育成機会を提供できていない場合、部下は成長の機会を求めて転職を考えるようになります。

新しいアイデアや事業を生み出すきっかけを作る

組織に新たな価値を生み出すには、創造的な発想を引き出し、実現に導く管理職の存在が不可欠です。

市場環境が目まぐるしく変化する今、従来の延長線上にない発想や取り組みを推進できる管理職の存在が、企業の競争力を大きく左右します。

現場の第一線で働く社員たちは、顧客ニーズや市場の変化を敏感に感じ取っています。しかし、そこで得られた気づきやアイデアを具体的な形にするには、管理職の適切なサポートが必要です。

組織の中で新しい試みを実現するには、様々な調整や説得、時には予算の確保なども必要になります。管理職はこれらの障壁を取り除き、部下のチャレンジを実現可能な形に導く推進役となります。

管理職に求められるスキル

管理職には、業務遂行能力だけでなく、組織全体を効果的に機能させるための多面的なスキルが求められます。

日々の業務管理から人材育成、さらには経営視点での判断まで、プレイヤー時代とは異なる幅広い能力が必要になってきます。

以下では、管理職に求められる具体的なスキルについて、詳しく解説していきます。

【管理職に求められるスキル】
・リーダーシップ力|チームをまとめて目標に向かって導く
・人材育成スキル|部下の能力を引き出して成長させる
・問題解決能力|複雑な課題を分析して適切な解決策を出す
・戦略立案力|経営層の方針を理解して具体的な戦略に落とし込む
・組織管理能力|限られた資源を効果的に活用して大きな成果を出す
・コミュニケーション能力丨社内外の関係者とスムーズに協力し合う
・財務・経営分析スキル丨数字を読み解き、適切な判断をする
・ダイバーシティマネジメント力丨多様な価値観や背景を持つ人材を活かす
・コンプライアンス意識丨法令遵守と倫理的な判断ができる

リーダーシップ力|チームをまとめて目標に向かって導く

管理職に求められる能力の中で、基本となるのがリーダーシップ力です。

目標達成への道筋を示し、メンバーの自主性を引き出せる管理職が、強く求められています。

特に現代では、多様な価値観を持つメンバーが増えており、一方的な指示や古い形式の指示系統では、チームをまとめることが難しくなっています。

メンバー一人ひとりの考えを尊重しながら、チーム全体の方向性を示していく柔軟なリーダーシップが必要です。

人材育成スキル|部下の能力を引き出して成長させる

管理職に求められる重要な役割の一つが、部下の成長をサポートすることです。

個々の部下が持つ可能性を見出し、成長につながる機会を提供しながら、着実にスキルアップを促していく。このような人材育成のスキルは、組織の継続的な成長に大きく影響します。

部下の育成は、日々の業務指導にとどまりません。一人ひとりの強みや課題を把握し、それぞれに合った成長機会を提供することで、部下は大きく伸びていきます。

特に大切なのは、部下が失敗を恐れずにチャレンジできる環境を作ることです。すぐに答えを教えるのではなく、自分で考え、解決する力を身につけられるよう、適切な距離感でサポートすることが求められます。

問題解決能力|複雑な課題を分析して適切な解決策を出す

管理職には、部署やチームが直面する様々な課題に対して、適切な解決策を導き出す力が必要です。

問題の本質を見極め、実行可能な対策を立案し、確実に解決まで導くことが求められています。特にメンバーが困っている状況では、管理職の問題解決能力が組織の成果を左右します。

問題解決には、まず状況を正確に把握することが大切です。

データや事実に基づいて現状を分析し、本当の課題は何なのかを見極めます。思い込みや感覚だけで判断せず、客観的な視点で問題の原因を特定することが必要です。

戦略立案力|経営層の方針を理解して具体的な戦略に落とし込む

管理職には、会社の目指す方向性を理解し、それを具体的な行動計画に変える力が求められています。

経営層が示す大きな方針を、現場で実行できる形に具体化し、確実に成果につなげることが重要です。この能力は、組織の目標達成に大きく影響します。

戦略立案では、まず経営層が示す方針の背景や意図をしっかりと理解することが出発点です。市場環境の変化や競合との関係、自社の強みなど、様々な要素を踏まえて検討を進める必要があります。

組織管理能力|限られた資源を効果的に活用して大きな成果を出す

管理職の重要な役割は、予算や人員などの限られた資源を最大限に活かし、組織の成果を生み出すことです。

メンバーの得意分野を活かした仕事の割り振りや、効率的な業務の進め方など、様々な工夫が必要になります。組織全体の生産性を高められるかどうかは、管理職の手腕にかかっています。

日頃からメンバー一人ひとりの状況をよく把握し、業務量の偏りがないか、負担が集中していないかをチェックする必要があります。問題の芽を早めに見つけ、対策を打つことで、組織全体の健全性を保つことができます。

コミュニケーション能力丨社内外の関係者とスムーズに協力し合う

管理職の仕事を進める上で、部下との対話だけでなく、他部署や取引先との円滑な関係づくりが欠かせません。

相手の立場や考えを理解し、建設的な対話を通じて協力関係を築く。このような幅広いコミュニケーション能力が、仕事を前に進める原動力となります。

現代のビジネスでは、一つの部署だけで仕事が完結することはほとんどありません。部署の壁を越えた協力や、取引先との連携など、様々な人との関わりの中で仕事は進んでいきます。

財務・経営分析スキル丨数字を読み解き、適切な判断をする

管理職には、担当部門の収支や予算、業績数値を理解し、適切な判断ができるスキルが必要です。

売上や利益、コストなどの基本的な数字を読み解き、問題点を見つけ出し、改善につなげる分析力が部門の目標達成に大きく影響します。

ただし、数字を見るときは表面的な増減だけでなく、その背景も理解する必要があります。

例えば売上が下がっているとき、市場全体の傾向なのか、特定の商品だけの問題なのか、原因をしっかりと分析することが大切です。

ダイバーシティマネジメント力丨多様な価値観や背景を持つ人材を活かす

今の職場には、性別や年齢、国籍、働き方など、様々な背景を持つメンバーが共に働いています。

管理職には、それぞれの違いを理解し、一人ひとりの強みを活かしながらチーム全体の成果を高める力が求められています。

多様性を組織の強みに変えられるかどうかは、管理職の重要な役割です。

多様なメンバーだからこそ生まれる新しい発想やアイデアを、積極的に取り入れていく姿勢も重要です。

コンプライアンス意識丨法令遵守と倫理的な判断ができる

管理職には、部門の業績だけでなく、法律や社内規則を守り、適切な判断ができる力が必要です。

パワハラやセクハラの防止、労働時間の管理、情報セキュリティの徹底など、様々な面で正しい理解と実践が求められています。

コンプライアンスの不備は、組織全体に大きな影響を与えかねません。

部下がコンプライアンス違反を起こさないよう、定期的な教育や注意喚起も必要です。問題が起きてからでは遅いため、予防的な取り組みを心がけることが大切です。

管理職育成の具体的な方法と流れ

管理職育成を効果的に進めるには、計画的なステップを踏むことが大切です。

単に研修を実施するだけでなく、現状分析から実践、評価まで、一連の流れを意識して取り組む必要があります。

育成プログラムの効果は、この基本的な流れを押さえられるかどうかで大きく変わってきます。

以下では、管理職育成の具体的な進め方について、順を追って解説していきます。

【管理職育成の具体的な方法と流れ】
・管理職に求められる能力を明確にし、現状とのギャップを分析する
・個々の管理職の強みと弱みに合わせた育成計画を作る
・リーダーシップ研修やマネジメント研修を実施し、基礎知識を習得する
・実務を通じて学んだ知識やスキルを実践する
・360度評価を実施し、多角的な視点からフィードバックを行う

管理職に求められる能力を明確にし、現状とのギャップを分析する

管理職育成の第一歩は、自社が必要とする管理職の能力を具体的にリストアップし、現状の管理職がどの程度その水準に達しているかを把握することです。

この分析を丁寧に行うことで、これから取り組むべき課題が見えてきます。実際の育成も、的確な方向性を定めやすくなります。

管理職に求める能力は、会社の業態や規模、目指す方向性によって大きく異なります。

例えば、急成長を目指す企業であれば変革を推進する力が必要ですし、安定性を重視する企業では慎重な判断力が求められます。

個々の管理職の強みと弱みに合わせた育成計画を作る

管理職一人ひとりの特徴は異なります。同じ研修プログラムを全員に当てはめるのではなく、それぞれの得意分野や課題に合わせて育成計画を組み立てることが大切です。

個人の状況に応じた育成を行うことで、効果的な成長を促すことができます。

管理職の育成では、その人の経験や性格、現在の役割などを考慮する必要があります。例えば、営業部門で成果を上げてきた人と、技術部門でスキルを磨いてきた人では、伸ばすべき部分が違ってきます。

また、年齢や経験年数が同じでも、コミュニケーションが得意な人もいれば、数字に強い人もいます。

このような個人差を把握したうえで、それぞれに合った育成方法を選ぶことが重要です。

リーダーシップ研修やマネジメント研修を実施し、基礎知識を習得する

管理職として必要な考え方やスキルを学ぶため、体系的な研修の実施が欠かせません。

リーダーシップの基本から、部下育成の方法、業務管理の手法まで、実践的な知識を身につける機会を設けることが重要です。これらの基礎があってこそ、実務での応用が可能になります。

研修では、まずリーダーシップの基本を学びます。部下への接し方、モチベーション管理、目標設定の方法など、管理職として知っておくべき内容を理解します。

マネジメント研修では、業務の計画立案や進捗管理、問題解決の手法などを学びます。具体的な事例を使ったグループワークやロールプレイングを通じて、実践的なスキルを身につけることができます。

実務を通じて学んだ知識やスキルを実践する

研修で得た知識は、実際の業務で使ってこそ本物のスキルになります。

日々の仕事の中で意識的に実践し、時には失敗も経験しながら、確かな力として身につけていくことが大切です。現場での実践と振り返りを繰り返すことで、管理職としての成長が加速します。

研修での学びを実践に移す際は、できることから少しずつ始めるのがコツです。

例えば、部下との1on1ミーティングを定期的に実施したり、会議の進行方法を工夫したりと、具体的な場面で実践することが有効です。

360度評価を実施し、多角的な視点からフィードバックを行う

管理職の成長には、様々な角度からの評価とフィードバックが重要です。

上司からの評価だけでなく、部下や同僚、時には取引先からの意見も含めた総合的な評価を行うことで、自分では気づかない強みや課題が見えてきます。この気づきが、さらなる成長のきっかけとなります。

管理職の仕事は、多くの人との関わりの中で進められます。そのため、一つの視点からの評価だけでは、十分な把握ができません。部下との関係、他部署との連携、業務の進め方など、それぞれの場面での評価を集めることが大切です。

管理職育成計画の立て方

管理職育成を成功させるには、計画的なアプローチが欠かせません。

会社の目標に沿って育成方針を定め、現状を把握したうえで、具体的な育成計画を立てていく必要があります。


場当たり的な育成では効果は限定的です。組織の成長を支える管理職を育てるには、戦略的な計画づくりが重要になります。

以下では、管理職育成計画の具体的な立て方について、順を追って解説していきます。

【管理職育成計画の立て方】
・経営目標と育成方針を決める
・現状の管理職の能力を評価する
・求める管理職像と必要なスキルを具体化する
・短期・中期・長期の育成目標を設定する
・育成スケジュールと予算を決定する

経営目標と育成方針を決める

管理職育成の方向性は、会社の目標に合わせて決める必要があります。

「会社が何を目指しているのか」「そのために管理職に何を期待するのか」という視点で育成方針を考えることで、より効果的な育成が可能になります。会社の成長と管理職の育成は、密接につながっているのです。

会社の目標と育成方針がずれていては、せっかくの育成も効果が限られてしまいます。

例えば、グローバル展開を目指す会社であれば、語学力やグローバルな視点を持つ管理職の育成が必要になるでしょう。

現状の管理職の能力を評価する

育成計画を立てる前に、現在の管理職がどのような能力を持ち、どんな課題があるのかを把握する必要があります。

実際の業務での様子や部下からの評価、数値目標の達成状況など、様々な角度から現状を確認することで、具体的な育成ポイントが見えてきます。

管理職の評価では、業績だけでなく、マネジメントの質も重要な要素です。

部下の育成状況やチームの雰囲気づくり、他部署との連携など、数字には表れにくい部分にも目を向ける必要があります。

求める管理職像と必要なスキルを具体化する

会社が求める管理職像を明確にし、そのために必要なスキルを具体的にリストアップすることが重要です。

「こんな管理職になってほしい」という漠然としたイメージだけでは、効果的な育成はできません。目指す姿とスキルを誰もが分かる形で示すことで、育成の方向性が見えてきます。

管理職に求められる役割は、会社によって様々です。営業部門の管理職と製造部門の管理職では、必要なスキルが異なるかもしれません。

また、スキルには優先順位をつけることも大切です。すべてのスキルを一度に身につけることは難しいため、重要度や緊急度に応じて段階的に習得できるよう整理します。

短期・中期・長期の育成目標を設定する

管理職の育成には時間がかかります。すぐに取り組むべき課題、半年から1年かけて身につけるスキル、さらに数年先を見据えた能力開発など、時間軸に沿って目標を整理することが大切です。

段階的な目標設定により、着実な成長を促すことができます。

各段階の目標は具体的な形で示し、達成状況が確認できるようにします。「できる・できない」が明確な行動レベルの目標設定が効果的です。

育成スケジュールと予算を決定する

管理職育成を実現可能な形にするには、具体的なスケジュールと必要な予算を明確にすることが重要です。

いつ、どんな施策を実施し、そのためにどれくらいの費用が必要なのか。現実的な計画を立てることで、着実な育成を進めることができます。

また、外部研修の活用やeラーニングの導入など、どのような育成手法を使うのかも具体的に決めていきます。それぞれの手法にかかる費用を見積もり、予算として確保します。

管理職育成を成功させるポイント

管理職育成の成果は、取り組み方によって大きく変わってきます。

単に研修を実施するだけでなく、育成を支える環境づくりや、実践の機会の提供、そして継続的なサポートが重要です。

組織全体で育成を支える体制があってこそ、管理職は着実に成長していきます。

以下では、管理職育成を成功させるための具体的なポイントについて解説していきます。

【管理職育成を成功させるポイント】
・経営層が育成に積極的に関わってサポートする
・育成対象者の意欲と自主性を重視する
・実践的な課題に取り組む機会を多く用意する
・定期的なフィードバックと振り返りの場を作る
・失敗を恐れずチャレンジできる環境を整える
・他部署や外部との交流の機会を積極的に作る

経営層が育成に積極的に関わってサポートする

管理職育成には、経営層の目に見える関わりが欠かせません。

経営層が育成の重要性を示し、直接的なサポートを行うことで、管理職の成長意欲は大きく高まります。また、組織全体でも育成を重視する雰囲気が生まれ、より効果的な取り組みが可能になります。

経営層の関わりは、管理職に「自分の成長を会社が本気で考えてくれている」という実感を与えることができます。

特に、「なぜ管理職の育成が重要なのか」「会社がどんな管理職を必要としているのか」といった、経営層の考えを直接聞ける機会は貴重です。

育成対象者の意欲と自主性を重視する

管理職育成で大切なのは、対象者自身の成長意欲と自主性です。

会社からの押し付けではなく、自ら学び、実践しようとする姿勢があってこそ、本当の成長が可能です。育成プログラムの内容以上に、対象者のやる気と主体性を引き出せるかどうかが、成功に繋がる要因となります。

管理職に必要なスキルは、座学だけでは身につきません。

自ら考え、試行錯誤しながら経験を積むことで、実践的な力が育っていきます。そのため、育成対象者が「学びたい」「成長したい」と思える環境づくりが重要です。

実践的な課題に取り組む機会を多く用意する

管理職としての成長には、実際の経験を通じた学びが不可欠です。

研修で得た知識を活かせる実践の場を意図的に設けることで、より力が身についていきます。現場での経験を通じて管理職は成長していくのです。

座学での学びは、実践で活かしてこそ本当の力になります。例えば、部門横断のプロジェクトリーダーを任せたり、新規事業の企画を担当させたりすることで、管理職として必要な判断力や調整力が養われていきます。

定期的なフィードバックと振り返りの場を作る

管理職の成長を支えるには、定期的なフィードバックと振り返りが重要です。

できていることや改善が必要な点を具体的に伝え、次の行動につなげる。この繰り返しが成長に繋がります。

また、振り返りを通じて自身の変化も実感できるようになります。

フィードバックはタイミングが重要です。できるだけ実践に近いタイミングで行うことで、具体的な状況を思い出しながら、より深い気づきを得ることができます。

失敗を恐れずチャレンジできる環境を整える

管理職の成長には、新しいことへの挑戦が欠かせません。

そのためには、多少の失敗があっても責められない、安心してチャレンジできる環境が必要です。

失敗を学びの機会として捉え、次につなげる組織の雰囲気づくりが、管理職の積極的な成長を支えます。

新しい取り組みには、必ずリスクが伴います。失敗を過度に恐れる環境では、管理職は無難な判断しかできなくなり、結果として成長の機会を逃してしまいます。

他部署や外部との交流の機会を積極的に作る

管理職の視野を広げて新しい気づきを得るには、普段接する機会の少ない人々との交流が有効です。

他部署との協働や、外部の管理職との意見交換など、様々な立場の人との関わりを通じて、マネジメントの幅を広げることができます。

同じ部署だけで仕事をしていると、考え方や進め方が固定化しがちです。

また、外部の管理職との交流は、自社の強みや課題を客観的に見直すきっかけになります。業界の動向や、他社での取り組み事例など、視野を広げるための情報も得られます。

管理職育成のよくある質問

管理職育成を進める中で、多くの企業が様々な疑問や課題に直面します。

「どのくらいの期間や費用が必要か」「効果をどう測ればよいのか」など、具体的な進め方に関する質問が特に多くなっています。

これらの疑問を解消していくことで、より効果的な育成が可能になるでしょう。

以下では、よくある質問について、具体的に解説していきます。

【管理職育成のよくある質問】
・管理職育成にはどのくらいの期間が必要?
・育成にかかる費用の目安は?
・外部研修と社内育成のバランスはどうすべき?
・育成の効果をどのように測定すればよいか?
・管理職になりたがらない社員への対応はどうすればよい?
・中小企業でも効果的な育成は可能?

管理職育成にはどのくらいの期間が必要?

管理職育成の期間は、対象者の経験や素質、目指す管理職像によって変わってきます。

一般的には、基本的なマネジメントスキルの習得に6ヶ月から1年、一人前の管理職として活躍できるようになるまでに2~3年程度かかります。

ただし、これは目安であり、個人差が大きいのが特徴です。

育成にかかる費用の目安は?

管理職育成の費用は、企業の規模や育成方法によって大きく異なりますが、一般的に20~50万円程度が目安です。

これには外部研修費用、教材費、講師謝金などの直接的なコストが含まれます。

下記が内訳の一例です。

・外部研修:15~30万円/年(集合研修の場合)
・eラーニング:3~10万円/年(1ライセンス)
・書籍、教材費:2~5万円/年
・社内研修の講師料:5~10万円/回

ほかにも、育成中の業務時間の確保など、間接的なコストも考える必要があります。

外部研修と社内育成のバランスはどうすべき?

外部研修と社内育成は、それぞれの特徴を活かして組み合わせることが効果的です。

一般的な目安として、基礎知識の習得は外部研修、実践的なスキル向上は社内育成という使い分けが多く見られます。大切なのは、自社の状況や育成目的に合わせて最適なバランスを見つけることです。

そして、外部研修で得た知識を社内でどう活かすかという視点も重要になります。研修での学びを自社の状況に合わせて咀嚼し、実践に結びつけていく工夫が必要です。

育成の効果をどのように測定すればよいか?

管理職育成の効果測定は、数値化できる指標と定性的な変化の両面から見ていく必要があります。

部門の業績数値だけでなく、部下の成長度合いやチームの活性化など、様々な角度からの評価が重要です。継続的にデータを集めることで、育成の成果を把握することができます。

効果測定で重要なのは、育成の目的に沿った評価基準を設定することです。

例えば、部下育成力の向上を目指す場合、部下の成長度合いや目標達成率などが評価の対象となります。

管理職になりたがらない社員への対応はどうすればよい?

近年、管理職を希望しない社員が増えています。その理由は、責任の重さへの不安や、仕事と生活のバランスの変化への懸念など、様々です。

こうした社員への対応は、まず本人の考えをよく聞き、無理な押し付けを避けながら、段階的なアプローチを取ることが大切です。

また、専門職としてのキャリアパスを用意するなど、管理職以外の選択肢を示すことも必要です。すべての優秀な人材を管理職にする必要はなく、その人の強みを活かせる役割を用意することが大切です。

中小企業でも効果的な育成は可能?

中小企業でも、工夫次第で効果的な管理職育成は十分に可能です。

予算や人員の制約はあっても、中小企業だからこそできる密着した指導や、実践を通じた学びなど、中小企業ならではの強みを活かした育成方法があります。

大切なのは、自社の状況に合わせた現実的なアプローチを選ぶことです。

中小企業の管理職育成では、日常の業務経験を通じた学びが特に重要です。大手企業のような体系的な研修プログラムは難しくても、実務の中で直接指導を行える環境は、むしろ中小企業の方が整っています。

管理職育成のまとめ

本記事では、管理職育成の重要性から具体的な方法、よくある課題まで、幅広く解説してきました。

管理職育成は一朝一夕にはできませんが、計画的に取り組むことで、必ず成果につながります。

これからの時代に求められる管理職を育てるため、まずは自社に合った方法から始めていきましょう。

特に重要なのは、育成を一時的なものではなく、継続的な取り組みとして位置づけることです。時代とともに管理職に求められる役割は変化し続けます。

その変化に対応できる柔軟性と、基本となるマネジメント力を兼ね備えた管理職を育てることが、これからの企業には不可欠です。

この機会に、ぜひ管理職育成について考えてみてはいかがでしょうか。


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