導入事例
株式会社希学園様
フィードバックの内容を正しく受け止めてもらうには、フォローが必須。スケジュール設計の重要さに気づいた
株式会社希学園
右:人事総務部・部長 宇都宮 初子 様
左:人事総務部 大澤 阿梨紗 様
- 人事制度改革
- エンゲージメント向上
株式会社希学園(のぞみがくえん)様は、兵庫・大阪を中心に、関西地方で中学受験専門の進学塾を展開しています。小学生の子どもたちが初めて体験する「中学受験」という大きな壁。その受験指導を通じて、子どもたちの人間的成長を促すことを理念としています。もともと講師や事務職員の評価・育成のために360度評価を社内で実施しており、より自社に合った仕組みを構築するためCBASE 360°を導入されました。
人事制度改革における施策の一つとして活用
——希学園様は、私たちにお声がけいただく以前から社内で360度評価を実施されていたそうですね。どのような背景で取り入れたのですか?
宇都宮様:
当時、学園内の評価システムにはまだ不明瞭な部分がありました。目標設定のための評価シートや1on1の実施、各種研修など、人事制度全体を整える動きの中で、施策の一つとして360度評価を導入してみることにしたのです。
希学園の理念には「中学受験指導を通じて子どもたちの人間的成長を促し、社会に貢献できる人を育成する」というミッションステートメントがあります。子どもたちを指導する立場である講師や事務職のレベルアップが求められる中、自分の言動を俯瞰して見ることができる360度評価は施策として最適だと感じました。
——その後、なぜ弊社のCBASE 360°を選んでくださったのでしょう? 決め手になったことがあれば教えてください。
宇都宮様:
3社のシステムを比較検討した結果、設問や回答者選定といった設定の部分で、一番自社に合わせたシステムをつくりやすそうだと思ったからです。決め手になったのは、シーベースさんの営業担当の杉本さんですね。
——ありがとうございます。行動変容を促すクラウド型システム「CBASE Action」が含まれていることもポイントだったのではないでしょうか。
宇都宮様:
はい。おっしゃっていただいた通り「CBASE Action」で結果の振り返りができる点がよいと思いました。一方で、初年度はまだ活用しきれていない部分も多いです。これは結果を受け取るのが12月になり、中学受験シーズンに重なってしまったことが影響しています。
匿名性の担保に苦心した
——CBASE 360°の導入初年度、回答率100%を達成されました。事務局として、どのような工夫をされましたか?
宇都宮様:
まず、事前説明会を開催したのがよかったです。シーベースさんのコンサルタントから改めて説明を受けることで、360度評価そのものへの理解が進みましたし、どんなことを書けばいいか、みんなイメージできたのだと思います。
事務局側では、フィードバックする対象者の人数をある程度絞ったことと、外部の企業のサービスを利用しているので「締切厳守」であることを繰り返し伝えました。実施期間中は回答率を把握し、具体的な数字を出して頻繁にリマインドを続けたことが、回答率100%に繋がった要因だと思います。
——素晴らしいですね。事務局側の対応として大変だったことは何ですか?
宇都宮様:
多くの中小企業に当てはまることだと思いますが、人数が少ないと、回答者が特定できてしまうことです。どんな仕組みを使ったとしても、読む人が読めば、誰のコメントか分かってしまうのです。日頃密接にコミュニケーションを取る相手が3〜4人ほどの部署もあるので、具体的なフィードバックを書くことで、あるいは文章や内容に個性が出ることで、書き手がバレてしまう。匿名性を高めるためにこちらで多少コメントを編集しましたが、事務局としては心配でした。
——匿名性の担保に一番苦労されたのですね。結果を受け取った社員の皆さんからはどんな反応がありましたか?
宇都宮様:
自分の振る舞いが周囲にどう見えているか、現実を突きつけられ、思った以上に傷ついた社員もいたようです。仕事ができるが故に周囲に厳しく当たってしまう人や、悪気はないものの自宅のように自由に振る舞ってしまう人が、自身と周囲の認識の差に初めて気が付く、といったケースがありました。ショックではあったと思いますが、言動を客観的に見つめ直す機会になってよかったと感じています。
また、評価結果に対して「自分が改善すべきだと思っていたポイントと指摘された内容が一致していたので、改善していこうと思う」という前向きな声も挙がっています。
繁忙期を避けたスケジュール設計が課題
——導入後に見えてきた課題や改善点があれば教えてください。
宇都宮様:
今回、フィードバックの結果が社員の手元に届いたのが12月はじめで、入試直前というスケジュールになってしまいました。時期的に振り返りを強く促すことが難しく、結果を読み解いて行動改善に繋げるための十分なフォロー体制を築けなかったことは反省しています。振り返りの時間をしっかり取るためには、10月半ばくらいに結果が出るのが望ましいのですが、初年度は講師が一番フィードバックに取り組みやすい時期に実施をしたという背景があり、スケジュールの調整が課題です。
また、他者から評価されることやアクションプランを立てることに慣れていない社員は、フィードバックの内容に傷ついてしまって、素直に指摘を受け入れたり、行動を変えていこうという気持ちの切り替えが難しく、やはりフォローが必要だったと感じています。
——率直なご感想をありがとうございます。私どもも初年度は特に丁寧に振り返りを行う必要があると考えています。シーベースでは「読み解き会」の場を設けて、結果と向き合う時間をつくることを推奨しておりますので、ぜひ今後も提案させていただけたらと思います。
宇都宮様:
お話していてふと思ったのは、みんなコメントを書くことに一生懸命になってしまって、そこで達成感を得てしまったのかもしれません。本来のスタートである「フィードバックを受け取ってからのアクション」に繋げられなかったことが一番の反省点ですね。
——繁忙期が過ぎて、フィードバックの結果を利用した面談やレポートの作成といった動きはありそうでしょうか?
宇都宮様:
フィードバックの結果を受けて、会社として提出物や面談の実施を求めたかというと、そこまではできていない状態です。社員には「まずは自分自身で振り返りをしてくださいね」と伝えています。強制はしていないのですが、各部長には結果を共有しているので、面談などで活用してくれているのではないかと思います。
いつ・誰向けに実施するかが重要
——今後の展開や、希学園様が目指す姿についてお聞かせください。
宇都宮様:
学園の理念に賛同し、この場所で頑張ろうと思っている社員がきちんと評価される人事評価制度をつくり上げて、社員に「長く働きたい」と思ってもらえる会社にしたいです。そのためにも、ここから数年の間に評価システムを整備していくつもりです。
360度評価は、特に管理職の育成において重要だと考えています。自社の「あるべきリーダー像」ができあがった時に、リーダーが部下を評価するだけではなく、周囲からリーダーが評価を受ける仕組みも必要になります。
一方で、管理職やリーダーを目指さず、講師としてプロフェッショナルになることを選ぶ社員には、必ずしも同様の360度評価は必要ないかもしれません。講師は子どもたちからも評価を受けるので、その点は一般的な企業と私たちの違いですね。
——最後に、360度フィードバックの導入を検討されている皆さんにぜひアドバイスをお願いします。
宇都宮様:
やはり実施する時期が大事です。それから、対象者を誰にするのか、事前によく検討することをおすすめします。初年度は「全員が自分を俯瞰する」ことを重視しましたが、例えば管理職から始めて、理解が進んだら徐々に現場に落としていく、という展開のさせ方もあると思います。
——360度フィードバックの結果を行動改善に繋げるためには、実施のタイミングやスケジュール設計が重要なのだと改めて痛感いたしました。今後もフォロー体制や施策を提案させていただきます。ありがとうございました。
インタビュアー
脇園 千代美 コンサルティンググループ コンサルタント
大学院を修了後、事業会社の人事室長として採用・評価・育成・労務の実務を経験。
その後、人事評価制度の会社で人事コンサルタントの経験を経て、CBASEに参画。
10年以上の実務経験を活かし、組織課題解決に寄り添う支援をおこなう。
- 株式会社希学園
- 事業内容:進学教室、個別指導
設立:1992年4月
従業員数:131人 (2026年2月1日現在)