導入事例

リゾートトラスト株式会社様

組織の現状とリスクの予兆を掴むツールとして活用。結果をさらに深掘りするために「読み解き会」を実施

リゾートトラスト株式会社

ホテル&ゴルフ本部 業務管理担当統轄部長 執行役員 佐々木征磁 様
業務部門 人事企画部 部長 秦覚 様

  • リスク予兆の把握
  • 組織活性化

リゾートトラスト株式会社様は、会員権事業を核に、ホテルレストラン事業、ゴルフ事業、メディカル事業など幅広い領域で事業を展開されています。1973年の創業以来、毎年コンスタントに運営施設数を増やしながら広く事業を展開しており、グループで運営する施設数は国内外で114施設です。2019年に360度フィードバックを導入され、6年目に初の試みとして施設長向けの「読み解き会」を実施されました。継続している中で感じた手応えや、長く続けているからこそ直面する課題について、率直に語っていただきました。

組織の実態を認識できているという手応えがある

——360度フィードバックを導入した背景と、現在までの社内の変化についてお聞かせください。

秦様:
管理職の評価は、上司からだけでなく、上下左右、斜めから受けるのが有効ではないかということで、360度フィードバックを始めました。また、管理職がいわゆるガラス張りのような状態になることで、仕事やマネジメントに際して適度な緊張感も生まれることもよいことだと思っています。まずは幹部を対象にスモールスタートさせ、6年間続けています。徐々に対象者と回答者が増えてきており、それに伴い運営側の作業量も増加しています。我々のチームのマンパワーにも限りがありますから、対象をどこまで拡大するのかは今後の課題ですね。

360度フィードバックは経営陣の承認を得て毎年継続していますが、そうすることで経営層との会話の中でも自然と360度フィードバックの結果をベースとした組織風土やマネジメントをテーマとした指示が出てくるようになってきました。これはよい変化だと思います。

——6年間継続できた要因はどこにあると思われますか?

秦様:
手応えがあることが大きいと思います。本部長や役員と話をしていると、360度フィードバックのレポートが各組織の雰囲気や傾向を掴む手助けになっていることや、組織ごとのマネジメント層の最適配置のひとつのよりどころになっていることが分かります。

また、360度フィードバックを実施することによって、ハラスメントの予兆を掴むこともできます。数値やコメントを見て際立ったものがあれば、悪化する前に手を打つことも可能となりました。

——360度フィードバックを通じて組織の実態が分かること、それを「手応え」と形容していただけるのは、運営の皆様が日頃からさまざまな部署をしっかり見ているからだと思います。その視点があるからこそ、フィードバックの結果を組織の問題解決に繋げることができるのでしょうね。

レポート結果を深掘りするために「読み解き会」を実施

——初めての取り組みとして、施設長向けの読み解き会を実施されました。実施の目的と背景をお聞かせください。

佐々木様:
360度フィードバックを何度か実施しましたが、その結果がきちんと腹落ちしているのか、少し懸念を抱いていました。フィードバックを受けた施設長に、個人ごとの気づきに結びつくようなレポートの見方であったり、他社と比較して特徴的な部分がどこなのかといった情報を提供し、通常業務での言動に反映してもらいたいと考えたのです。毎年せっかく実施しているので、レポートの見方を理解してもらい、結果を深掘りできるようになるといいんじゃないか、というところで「読み解き会」の実施に至りました。

読み解き会についてもやりっぱなしではいけないので、御社にいただいたアクションプランを参考に、この先半年から1年間をかけて、どのように変わるか見つめ直そうという動きになっています。こうした振り返りの機会を設けることで、360度フィードバックや読み解き会がより有意義なものになっていくのではないかと思います。折角実施する以上、有意義なものにしないともったいないですからね。

——施設長の皆様には、読み解き会や360度フィードバックを通じてどのような状態になってほしいとお考えですか?

佐々木様:
我々は労働集約型企業ですので、人がどれだけ高いパフォーマンスを発揮できるかが生命線です。グループアイデンティティの「ご一緒します、いい人生」にも表れているように、お客様とともにいい人生を送ってもらうことが従業員の幸せになると考えています。そのためには、組織をマネジメントする立場の人のヒューマンスキルが大事なのです。施設長には、そのヒューマンスキルの更なる向上につなげてほしいと思っています。360度フィードバックはそのための一つのツールであり、ほかにも効果的なものがあればいろいろ試していきたいと考えています。

——読み解き会を経て、社内で何か変わったことはありましたか?

佐々木様:
どのような変化が起こっているかは、正直まだ分かりません。ただ、読み解き会の中で参加者からさまざまな気づきや感想が出たのはよかったと思っています。さきほど触れたグループアイデンティティは、「より豊かで、しあわせな時間(とき)を創造します」と続きます。そもそも従業員が自分たちの仕事を幸せだと感じられないと、行動に移せないと思うのです。従業員が幸せに働くために、マネジメントのあり方はとても重要です。

5段階評価の回答が「3」ばかりになる時は

——率直な感想や改善の要望など、私たちシーベースに期待していることがあればぜひお聞かせください。

佐々木様:
5段階での評価は、どうしても真ん中に回答が集まりやすい、という点について判断が難しいですね。回答がばらけて、強弱がついたほうが効果が分かりやすい気はしますが、何か手段はあるのでしょうか。

——継続するほど点数が3〜4点に集まりやすい、という傾向はあります。目的に応じて5段階評価を広げてみたり、設問を変えてみたりと、微調整を検討していただくと良いかもしれません。秦様はいかがですか?

秦様:
作業効率の問題があるかなと思っています。実施の時期になると、運営チームのメンバーの作業量が増えて、これが割と大変なのです。特に苦労するのが、対象者の紐付けです。全く接点のない人は紐づけられないし、毎回同じ人になってしまうのも避けたい。この部分は、いつも頭を悩ませています。AIなどのデジタル技術によってうまく解決できる日が来るんじゃないかと、将来的には期待しています。

——現在弊社では、社内で使用しているチャットツールのメンション数が多い人を自動的にピックアップする、という方法を実験的に行っています。各社使用しているコミュニケーションツールは異なりますし、そのツールのデータを弊社のシステムだけでは取ることができないので調整は必要ですが、負荷軽減の方法は今後も社内で検討して参ります。

顧客・従業員・組織の幸福度が上がるサイクルをつくる

——今後の展開や課題についてお聞かせください。

秦様:今後も変わらず続けていきます。ただ、6年続けているとある程度馴染んできたところがある反面、形骸化しやすくなります。毎年のことなので、答える側も受け取る側も、最初よりも緊張感が軽減されるというか、初年度に比べて真剣に答えたり読み解こうとする度合いが減っていくと思うのです。先ほど話題にあがったように質問の切り口を変えてみるなど、マンネリ化の防止には取り組んでいかないといけませんね。

佐々木様:
従業員全員が心から幸せに働けているかというと、部署や個人によってまだばらつきがある状態です。上司も部下も人間ですから、完璧ということはないにしても、精度や質を高めていきたいと思います。全員がやりがいを持って気持ちよく働ける環境づくりに取り組むことで、個人の幸福度が上がり、それがお客様の幸せにつながっていく。このサイクルがうまく回ってくると、360度フィードバックを実施している価値はとても高いと言えるでしょう。

——最後に、360度フィードバックの導入を検討されている皆さんにぜひアドバイスをお願いします。

秦様:
導入する上で議論は当然あるだろうと思います。通常のサーベイよりも生々しい数値やコメントが出てくることがあるので、それを受け取る側からすると、時にはショックを受けることもあるかもしれません。その一方で、真摯にレポートを受け止めて活かしていけば、自分自身の成長や自信につながり、それが組織を活性化させ、前進させていく力にもなっていきます。私たちも導入前は他社の事例を聞いて半信半疑なところがありましたが、実際に取り入れてみてよかったと思っています。やってみる価値は十分にあるので、心からおすすめしたいと思います。

——従業員の皆様が健やかに、かつ高いエンゲージメントで働くことで、お客様にもより良い価値を提供できる。そのための施策の一つとして弊社の360度フィードバックが活用されているというのはとても嬉しいことです。引き続きしっかりとご支援させていただきます。ありがとうございました。

インタビュアー

松山 健太 コンサルティンググループ コンサルタント
名古屋大学情報文化学部卒業後、大手損害保険会社での代理店営業、広告コンサルベンチャーでのデータアナリストの経験を経て、シーベースに参画。人と組織の抱える課題を定性・定量両面からアプローチし、課題解決の支援をおこなう。

リゾートトラスト株式会社
事業内容:会員権事業、ホテルレストラン事業、ゴルフ事業、メディカル事業、シニアライフ事業、その他の事業
創業:1973年4月
従業員数:9,046名(連結)(2025年3月末) 

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