導入事例

神東塗料株式会社様

職場の実態を捉えるカギは「情報が集まる管理職」の育成。360度フィードバックとストレスチェックの掛け合わせで職場の状態を可視化

神東塗料株式会社

左:理事 総務人事室担当 杉﨑 桂 様
右:総務人事室 課長 揚野 周 様

  • 管理職の育成
  • 組織改革

神東塗料株式会社様は、水系塗料のパイオニアとして多彩な用途で機能を発揮する塗料を開発する、総合塗料メーカーです。管理職育成の施策の一つとして、360度フィードバックを導入されました。初年度は部長および役員層を中心に実施。翌年は課長層に実施予定です。当初「360度フィードバックの導入には反対だった」という杉﨑様に、人事・労務管理の視点から導入を決めた理由や運営上の工夫を伺いました。

情報の断絶が招く不正リスクへの危機感

——360度フィードバックを導入された目的をお聞かせください。

杉﨑様:
端的に言えば、管理職層をターゲットにして、一般社員から頼りにされ、相談されやすい管理職を1人でも多く増やすことが目的でした。

背景には、そうでなければ管理職に情報が集まらないという課題意識があります。顧客や外部との調整事項がある際、社内の問題を1人で抱え込んでしまうと、チームで対応ができません。そうした状況下では、不正行為などの問題が起きやすくなる。管理職に情報が上がり、相談され、それをリーダーシップを持って解決していく体制を作らない限り、いつまでも問題はなくなりません。要は「真ん中の管理職がしっかりせんと」ということです。

—— 管理職育成では研修等も行われていたと思いますが、360度フィードバックに期待した「研修にはない効果」は何でしょうか?

杉﨑様:
知識をつけるのに研修は適していますが、姿勢やスタンスを身につけるとなると、座学での「あるべき論」だけでは不十分です。講師が社員を一堂に集めて1時間説明するより、10分間でもいいので自分に対して書かれたフィードバックを読む方が本人には刺さるはずです。

——確かに自分自身の現実を突きつけられるのは重みが違いますね。杉﨑様は読み解き会の場でストレスチェックの結果も共有されていました。どのような効果を狙っていたのですか?

杉﨑様:
ストレスチェックは、部署単位での集団分析を活用できることが特徴です。個人が特定されない形で、上司や同僚の支援状況が数値となって職場の風土を表します。部署単位の傾向を見ることはできるけれど、この支援数値が課長に対する評価なのか、係長に対する評価なのかまでは分かりません。

一方、360度評価は個人に返ってきます。この2つを掛け合わせることで、「頼りになる上司になろう」という個人のレベルの話と、職場風土という組織レベルの話をセットにして現状を捉えようと考えたのです。

膨大なデータは人事労務管理上の武器になる

——多くのサービスを比較検討された中で、最終的にCBASE 360°を選ばれた決め手はどこにあったのでしょう?

杉﨑様:
まずはネット上で情報を集め、より人事・労務管理的な視点で作られているシステムを絞り込みました。決め手は、CBASE 360°にはフォローの機能や、読み解き会などの仕組みがあったことです。360度フィードバックを人事評価としてやるのではなくて、いかに本人に刺さるか、行動変容へ繋げていくかという心理学的な観点が入っている点に着目しました。

——ありがとうございます。実際に導入してみて、運用面で特に印象に残った機能はありますか?

杉﨑様:
回答者に感謝の気持ちやメッセージを送ることができる「感謝フィードバック」の仕掛けにはなるほどと思わされました。些細なことのようでいて、実は組織全体の実施効果を上げるポイントを突いた機能だと思います。

また、導入前はピンときていなかったのですが、実際に使ってみて「なるほど、こういうことか」と納得したのが、AIが不適切なコメントを自動検知する機能です。フリーコメントの情報量が思っていた以上に膨大だったのでこの機能が役立ちました。フィードバック実施前から実施後まで、システム全体がよく練られていると感じました。

—— ありがとうございます。フリーコメントの内容から、何か新たな気づきは得られましたか?

杉﨑様:
職場の人間関係の実態を把握することができました。普段感じている各人の評価の裏付けになり、人事が組織の内実を確固たるものとして捉える資料になりました。労務管理上も非常に大きな成果だと感じています。

トップの巻き込みと「段取り」 で社内の空気を前向きに

——初年度の対象となった部長・役員層では、非常に高い回答率を記録しました。事前の準備で工夫された点はありますか?

杉﨑様:
あえていうなら「段取り」でしょうか。どのタイミングで、誰に、何を言うか。ですから、部課長クラスを一堂に集めて「今度こういうことをします」と直接伝えることができます。あとは、それをいかに段取りよく進めるか。今回は「まずはお試しだから気楽に取り組んでほしい」と伝えつつ、全社テーマである組織風土改革の一環であることを明確にしました。

——その「段取り」の中で、社長自ら360度フィードバックに参加されたのには驚きました。

杉﨑様:
私どもの計画にはなかったのですが、「部長以上で始めましょう」と提案したら、社長が「自分もやりたい」と(笑)。社長自身が楽しみながら参加する姿勢を見せたことで、組織全体に「これはやらないといけない」という強いメッセージとして伝わりました。

——社長の素晴らしい巻き込み力が施策の推進力になったのですね。来期はいよいよ杉﨑様が注力したいとおっしゃっていた課長層への実施となります。どのような展望を描かれていますか?

杉﨑様:
本丸は課長層です。人数も倍以上になり、多様な人がいますから、内容は部長層の時よりも激烈になるでしょうね。

——「激烈になる」という言葉に改革への強い意志を感じます。具体的にどのようなフィードバックを想定されていますか?

杉﨑様:
ストレスチェックの職場データと、360度評価の個人データを掛け合わせます。旗振り役の人事や総務だけが動くのではなく、「あなたの部署の問題です。どうするんですか?」と本人に考えてもらうきっかけとして結果を突きつけるつもりです。

その翌年はまた部長層に戻り、2年前と比べてどのような変化があったのかをチェックする。隔年で実施して、行動変容を観測していきます。

——初年度からここまで見通して計画されているのが素晴らしいと思います。

360度評価は「鏡」として使うからこそ効果がある

——最後に、360度フィードバックの導入を検討されている企業の皆さまにぜひアドバイスをお願いします。

杉﨑様:
目的によると思います。私はずっと「360度評価は、評価にはならない」と導入に反対してきました。以前、我が社でも若手社員から「自分たちも課長や部長に対して評価を行いたい」という声があったのですが、一般社員が管理職を正しく評価できるとは思えない。野球チームにおいて選手が監督を評価するようなもので、そもそも業務内容や視点が違う部下の声を、賃金や賞与に反映させることはできません。

——それほど強い反対派だった杉﨑様が、なぜ今回は導入を決められたのでしょうか?

杉﨑様:
組織風土の改革のために活用するという話になったことで、初めて「それなら使える」と思ったのです。

組織改革の文脈において、フィードバックの結果は自分の姿が周囲からどのように見えているかを確認する「鏡」です。他人が言葉を尽くして説教するよりも、鏡を見て自分自身の姿に気づく方が、行動変容に繋がりやすい。ですから、他社へのアドバイスとしては「行動改革に使うのなら有効だと思います」と、そんな言い方になるでしょうか。

——「査定の道具」ではなく「成長のための鏡」として導入・運用されたことが、今回の成功に繋がっているのですね。CBASEのシステムも、その「鏡」としての性能を評価いただけたのでしょうか。

杉﨑様:
CBASE 360° は、これまでの実績に基づいて非常によく作り込まれていると感じました。期待通りの成果が得られましたので、今後もアップデートを続けてもらいながら、一緒に取り組んでいければと思います。

—— ありがとうございます。御社の組織改革の伴走者として、引き続き全力でサポートさせていただきます。本日は貴重なお話をありがとうございました。

インタビュアー

小森山 努 コンサルティンググループ コンサルタント
人材開発会社で法人営業・講師・管理職を経験後、人材紹介会社で採用支援に従事。
その後IT企業へ転身し、人事・セールスリーダーを歴任。
デザイン会社でのセールスを経て、シーベースに参画。
多様な業界・職種での経験を活かし人・組織の課題解決の支援をおこなう。

神東塗料株式会社
事業内容:各種化成品・医薬品・電子機器等の製造・加工・販売および輸出入、関連システムの提供、塗装工事その他各種建設工事の設計・施工・管理および技術指導、設備工事の請負ならびに設計監理、不動産の売買・賃貸借および管理、付帯関連する一切の事業。設立:昭和8年4月17日
従業員数(連結):423人

導入事例一覧に戻る

CBASEサービスに関するお役立ち資料・
お問い合わせはこちら

お問い合わせ
CBASEサービス導入をご検討、
ご質問のある方

お問い合わせする

お見積もり
実際にCBASEサービスを
利用してみたい方

お見積もりのご依頼

お電話でのお問い合わせ
03-5315-44779:00-18:00(土日祝を除く)