導入事例
SOMPO Light Vortex株式会社様
組織急拡大の中、”勇気ある直視”で実態を可視化。360度フィードバックを起点とした管理職育成がスタート
SOMPO Light Vortex株式会社
左:人事部 古賀 弘美 様
右:人事部 陣内 綾子 様
- 管理職の育成
- 組織活性化
SOMPO Light Vortex 株式会社様は、SOMPOグループの新規事業創出の中核を担う組織として2021年7月に設立。さまざまな先端技術を活用し、「安心・安全・健康」に関するデジタルサービスの事業立ち上げに取り組んでいます。従業員数の増加というフェーズの変化に即し、管理職を対象に360度フィードバックを実施されました。結果をもとに次なる育成施策の導入が決定したほか、現場からは「上司の対応が変わった」と嬉しい声が挙がっているそうです。
形骸化したサーベイからの脱却を目指して
——360度フィードバックを導入された背景をお聞かせください。
古賀様:
弊社は2021年7月に設立された企業で、360度フィードバックの導入を本格的に検討したのは2025年です。20名以上の採用計画を立てるなど、組織が急激に拡大するフェーズでした。当初、部長職などはホールディングスからの出向者が中心でしたが、プロパーの管理職が徐々に増えていき、毎月のように中途入社の新しい仲間が加わる中で、副社長の岩田が常に口にしている「心理的安全性」が現場で担保されているのかを定量的に測る必要があると感じていました。
——心理的安全性の担保は、成長著しい組織にとって重要なテーマですね。これまではどのように把握されていたのですか?
古賀様:
他社のサーベイを実施していましたが、質問が固定化されており、フリーコメントの欄もありませんでした。そのため「ただ実施しただけ」で終わってしまい、次の一手に繋げられないもどかしさがありました。もっと多面的に組織を測るツールを取り入れるべきではないのか、という危機意識があったのです。
中立な立場の「外部の専門家」に語ってほしかった
——定量的に組織の実態を把握・観測するために、さまざまな手法を検討されたと思うのですが、その中でも360度フィードバックを選択したのはなぜですか?
古賀様:
おっしゃる通り、以前から1on1やストレスチェックなどを行ってはいたのですが、対面であっても「本音で話せているか」の確証が持てませんでした。問題を感じてはいるもののうまく言葉にできなかったり、上司相手に本音を話せなかったりすることはありますよね。また、経営層のビジョンが現場の上司を通じて正しく伝わっているのか、その手応えを可視化できるツールが不足している、とも感じていました。
——数あるサービスの中で、弊社のCBASE 360°を選んでいただいた決め手は何でしたか?
古賀様:
多面的かつ定量的に組織を見られることはもちろん、事前の説明会や研修など、コンサルティングを含めたサポートが手厚い点です。実際に、説明会では社員の表情や温度感を見てフォロー・対応していただけたのを感じました。
——ありがとうございます。説明会や研修については、古賀様たちご自身で実施するという選択肢もあったかと思います。あえて「外部」に依頼されたのはなぜですか?
古賀様:
初めての試みだからこそ、サービスの提供元である専門家からフラットに目的や効果を説明してほしかったのです。ある程度のことは社内でできるかもしれませんが、解釈の偏りが出たり、「また人事が何か言っている」といった先入観を持たれたりする懸念がありました。
受検率100%へのこだわり
——実施にあたって、工夫した点やこだわった点を教えてください。
古賀様:
まずは受検率です。組織の姿を映し出すには、できるだけ多くの方に回答していただかないといけません。目標として100%を掲げました。
——非常に高い目標ですね。達成に向けて、どのような働きかけをされたのですか?
古賀様:
上下両面からのアプローチを徹底しました。上からは、副社長の岩田が部長会などの場で繰り返し受検を促し、部下への声掛けを続けました。下からは、事務局がSlackで「現在◯%です」「(特定の部署に対して)あと◯名回答していただければ100%です」といった速報を数値で出し続け、組織全体で取り組む雰囲気を作りました。御社からも定期的にリマインドのメールをいただけたので、運営の助けになりました。
また、匿名性の担保にも気を遣いました。「回答が評価に直結しないこと」はもちろん、「事務局ですら誰が何を書いたかは分からない」ということを繰り返し伝えました。
——陣内様は回答者としても参加されました。フィードバックする側を体験して、いかがでしたか?

陣内様:
正直、業務の合間での回答は負荷もありましたが、上司への感謝をじっくり考え、匿名性が担保された安全な場で自分の想いを伝える機会があることは、非常に有益だと感じました。私がフィードバックする対象者は2名だったのですが、それでもコメントを書き切るのは大変だったので、人数が多い人はもっと大変だっただろうなと想像します。
——そうした課題に対して、我々シーベースに期待することやご要望はありますでしょうか?
陣内様:
回答者の目線で言うと、「感謝のフィードバック」をもっと受け取りやすく、見逃さないような工夫を期待したいです。また、設問のグルーピングなど、より回答者が答えやすい設計にしていただけると、業務の合間の負荷を減らすことができるのではないでしょうか。
——貴重なフィードバックをありがとうございます。設問の設計を工夫するなど、ぜひ改善のご提案をさせてください。
結果を受けて、次なる育成施策が決定
——実施後、組織や管理職の皆さんにどのような変化が現れましたか?
古賀様:
まず、フリーコメントで率直な意見をもらうことができて、とても驚きました。上司や会社側がそれらを真摯に受け止める土壌ができたことが大きな成果です。具体的には、この結果をエビデンスとして、部長職を対象とした長期的なコーチングプログラムを導入することにしました。こうしたプログラムの導入を部長たちが受け入れられたのも、360度フィードバックがあったからです。
——定量的なデータがあることで、育成施策への納得感が高まったのですね。
古賀様:
はい。経営陣からも、当事者の部長層からも、スムーズに理解を得られました。さらに嬉しい変化として、「最近、上司が努力しているのが伝わる」という声が挙がっています。
「コミュニケーションが丁寧になった」「こちらを尊重して接してくれている」といった声を聞くようになりました。コーチングプログラムが始まる前であっても、サーベイの結果を見て「自分なりに変えていこう」とアクションを起こしている管理職がいることに大きな手応えを感じています。
現実を直視する「勇気」が組織を変える
——今後、この施策をどのように発展させていきたいとお考えですか。
古賀様:
一連の流れを経験して感じたのは、360度フィードバックを一つの「体験」として捉えることの重要性です。例えば「心理的安全性が高い職場」という頂上を目指す山登りにたとえて、各工程のスケジュールを一枚絵にして配布するなど、全体像と現在地を可視化できるともっと印象に残ったのではないかと思いました。
——カスタマージャーニーのようなイメージですね。とても素敵なアイデアです。
古賀様:
はい。「今、旅のこのあたりにいます。次は感謝を伝えるフェーズです」と示されていれば、忙しい従業員もモチベーションを維持して参加できると思います。そうしたワクワクするような演出も含めて、シーベースの皆さんと一緒に作っていければ嬉しいです。
——最後に、導入を検討されている企業へメッセージをお願いします。

陣内様:
組織にいると、伝えたいことがあっても「場」がない、ということが多々あります。匿名性が守られた「安全な場」で声を届けられるのは本当に素敵なことだと思います。やってみると景色が変わるので、ぜひ一歩を踏み出してみてほしいです。
古賀様:
現状の課題や見たくない厳しい意見を直視するには「勇気」がいります。ですが、実情を見ないままにしておいては、組織はいつまでも変わりません。360度フィードバックは、勇気を持って前を向くための手段になると思います。
人が増え、組織が変わり続けるからこそ、定点観測としての継続的な実施には価値があります。これからもシーベースの皆さんには、他社事例やエビデンスに基づいた「壁打ち相手」としてのサポートを期待しています。
——もちろんです。今後もSOMPO Light Vortex様の組織成長を全力で支援させていただきます。本日は貴重なお話をありがとうございました。
インタビュアー

小森山 努 コンサルティンググループ コンサルタント
研修業界・人材サービス業界・IT業界・デザイン業界・NPO法人と多種多様な業界でのセールス・講師・マネジメント・人事業務経験を経て、シーベースに参画。個人的ビジョン「働くを楽しく」するために、フィードバックと対話を通して人・組織に関わる課題の解決支援に従事。
- SOMPO Light Vortex株式会社
- 事業内容:新規事業開発、スタートアップ支援
設立:2021年7月
従業員数:53名(2026年5月1日現在)