お知らせ
リーダーシップに関する調査 第三弾|結果公開のお知らせ
「フィードバックと対話で、すべての人と組織、社会をアップデートする」をミッションに掲げるHRサーベイクラウドサービスの株式会社シーベース(本社所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:深井幹雄)は、企業で働く人を対象に「リーダーシップ」に関するアンケート調査を実施しましたので、その第三弾の結果をお知らせいたします。
第一弾では、上司の業務の抱え込みや部下への任せ方の実態と双方の認識ギャップ、そして第二弾では、日々の業務に向き合う中で生まれる上司からの「悩み相談」を通じて部下がそれをどのように受け止めているのかを分析しました。
社会全体でリーダーシップの在り方が注目される局面が続くなか、企業現場でも、複雑化する課題に対して一人の判断だけで前に進むのが難しい場面が増えています。そこで第三弾では、チームの複数メンバーが状況や役割に応じてリーダーシップを発揮し合う「シェアード・リーダーシップ(Shared Leadership)」に着目し、職場でどれほど求められているのか、また浸透を阻む要因はどこにあるのかを明らかにしました。
■「シェアード・リーダーシップ」とは?
人手不足や業務内容の変化に伴い、管理職層の負担は日々増加しています。「管理職の罰ゲーム化」ともいわれ、その疲弊がやる気の喪失や離職の要因を生み出してしまっています。将来の管理職不足、次世代リーダーが育たないといった課題に繋がり、バッドスパイラルに陥ってしまう企業も少なくありません。
そんな複雑化・不確実性の高い現代のビジネス環境下において、「トップダウン型のリーダーシップの限界」を背景に生まれた新しい概念が「シェアード・リーダーシップ」です。管理職ひとりに責任や判断を任せるのではなく、チームのメンバー全員が状況に応じてリーダーシップを分担し合うことを指します。言い換えると、リーダーシップを担う役割を管理職一人ではなく、組織にいる全員で分かち合うという考え方です。
■言葉の認知が追いついていない:初耳が61.5%
「シェアード・リーダーシップ(複数人が状況や役割に応じてリーダーシップを発揮するスタイル)」という言葉についての認知度をたずねたところ、「言葉を初めて聞いた」が全体で61.5%となりました。一方で、「内容も含めてよく知っている」7.7%、「聞いたことはあるが内容はあまり知らない」25.8%、「自分の職場ですでに実践されている」5.0%を合計すると、理解度の濃淡はあれど認知している層は38.5%にとどまります。
リーダーシップの新たな潮流としてその有用性について論じられ、求める声がある一方で、そもそもの概念や名称が共通言語として広がっていないことが、浸透を妨げる要因となっていそうです。

■興味はあるが、具体的な実装イメージはわいていない
「シェアード・リーダーシップ」の印象として最も多かったのは、「組織の風土によっては効果がありそう」で、41.2%でした。また「チームの力を引き出せる、理想的な形だと思う」8.2%を合わせると、期待する回答の合計は49.4%と約半数にのぼります。
一方で、「理念としては良いが、現場では難しそう」が27.1%、「責任の所在が曖昧になりそうで不安」が11.8%と、実装面での懸念は38.9%存在します。「良さそうだが、やり方が分からない」「自分の職場に当てはまるかイメージがわかない」という状況が、浸透の壁になっている可能性がうかがえます。

■一方で、“強い一人”に依存しない価値観は広がりを見せる
「リーダーは1人でチームを引っ張るべき」という考え方に対し、「とても共感する」「やや共感する」は合計で34.4%にとどまりました。一方で、「あまり共感しない」「まったく共感しない」は65.6%となり、単独の“強いリーダー像”に依存しない価値観が広がっていることがうかがえます。
この結果は、シェアード・リーダーシップの名前は浸透していないものの、その考え方が社会的にも受け入れられやすい土壌があることを示していると言えます。

■役職問わずリーダーシップを発揮できる雰囲気がある職場は4割にとどまる
役職に関係なくリーダーシップを発揮できる雰囲気については、「とてもある」5.4%、「ややある」35.3%で合計40.7%にとどまりました。「あまりない」39.4%と「まったくない」19.5%を合計すると約6割にのぼり、”空気”や”雰囲気”といった「職場の土台」が新たなリーダーシップ像に追いついていない実態が浮き彫りになりました。

■将来の導入に前向きな割合は約6割、新たなリーダーシップ型への期待あり
今後、自分の職場や会社でシェアード・リーダーシップを取り入れてみたいかについては、「ぜひ取り入れたい」9%、「条件が整えば取り入れてみたい」50.5%で、合計約6割が導入に前向きでした。
一方で、「あまり取り入れたいとは思わない」25.2%、「まったく取り入れたいとは思わない」14.3%と否定的な回答も合計で約4割にのぼりました。

■部下のリーダーシップ発揮は上司の約8割が「歓迎」
部下がリーダーシップを発揮することについて、上司は「非常に歓迎している」29.7%、「やや歓迎している」50.0%となり、合計79.7%が歓迎していることがわかりました。
歓迎の姿勢は強い一方で、前述のとおり「発揮できる雰囲気」や「個々の職場での実装イメージ」が十分ではないことから、“歓迎”を“実装”に変える運用設計が求められます。

※調査結果を引用いただく際には出所として「株式会社シーベース」と明記をお願いいたします
■分析コメント
本調査では、チーム全員が状況に応じてリーダーシップを発揮し合う「シェアード・リーダーシップ」への受容度と、職場の実態を分析しました。導入意向は約6割と前向きで、「リーダーは1人で引っ張るべきだと思わない」という回答も6割超えと、分散型リーダーシップを受け入れる価値観は広がっています。一方で、「シェアード・リーダーシップ」を初めて聞いた人が61.5%と多く、概念の共通言語化が追いついていません。さらに、役職に関係なくリーダーシップを発揮できる雰囲気が「ある」は約4割にとどまり、理想と現場のギャップが明確となりました。
「シェアード・リーダーシップ」の浸透の鍵は、意識のアップデート、そしてルールや仕組みの整備など、“管理職だけが背負わない組織”のための対話と運用を設計することにあります。これからの管理職には、「全部を背負う力」ではなく、「チームの力を“引き出し、支えられる関係性”をつくる力」が重要だと言えるでしょう。
■調査概要
・調査手法:インターネットリサーチ
・都道府県:全国
・実施期間:2025年8月
・調査対象者・サンプル数:全国のビジネスパーソン230名(上司に問う設問は管理職経験のある136名が対象)