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エンゲージメント向上の方法とは?社員のやる気を引き出す具体的な方法を解説

エンゲージメント向上の方法とは?社員のやる気を引き出す具体的な方法を解説

社員一人ひとりが持っている力を最大限に引き出し、会社全体を成長させる「社員エンゲージメント」。

なんか難しそう…と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、会社の成長にとって、今とても注目されている考え方なのです。

社員が「この会社で頑張りたい!」と心から思えるようになると、会社にもメリットが多くあります。

この記事では、「なぜ今、社員エンゲージメントがこんなに大切なの?」という基本的な疑問から、社員のやる気をグッと引き出すための具体的な方法まで、わかりやすく解説していきます。

目次

なぜ今社員エンゲージメント向上に取り組むべきなのか?

なぜ今社員エンゲージメント向上に取り組むべきなのか?

社員エンゲージメントは、「社員が会社に満足している」という状態よりも一歩進んで、社員が会社の目標に共感し、「よし、自分も会社のために頑張るぞ!」と自ら進んで貢献したくなる気持ちのことです。

このエンゲージメントが高い状態は、会社がこれからも成長し続けるために、とても大切な要素と考えられています。

人材確保にエンゲージメント向上が不可欠

少子高齢化や働き方の変化で、どこの会社も「良い人に来てほしい、長く働いてほしい」と願っていますよね。そんな中で、社員エンゲージメントの向上は、優秀な人材を惹きつけ、会社に定着してもらうために欠かせないポイントなのです。

エンゲージメントが高い会社は、社員にとって「働きがいのある魅力的な職場」と映り、採用活動で有利になるだけではなく、今いる社員が「この会社を辞めたくない」と感じるようになり、離職率の低下も期待できるでしょう。

エンゲージメントが高い企業は、そうでない企業に比べて、収益の伸び率も高くなる傾向にあります。

社員の意欲が会社の成長と業績を左右

社員の「やる気」、つまりエンゲージメントの高さは、会社の生産性や新しいものを生み出す力、そして最終的には業績に直接影響を与えると言われています。

エンゲージメントが高い社員は、自分から進んで仕事に取り組み、より質の高い結果を出そうとする傾向があるようです。

仕事を「自分ごと」として捉えて主体的に取り組むため、会社全体の学習能力や問題解決能力を高め、新しいものが生まれやすい雰囲気を作っていく力になるでしょう。

強い組織文化は高いエンゲージメントが土台

会社の価値観や習慣、行動の基準となる「組織文化」は、社員エンゲージメントと深い関わりがあります。

良い組織文化は社員のエンゲージメントを高める土壌となり、逆にエンゲージメントの高い社員は、その文化をさらに強く、良いものにしていく力になるのです。

透明性があって、公平でみんなで協力し合う文化のある会社は、社員にとって働きやすい環境を提供しやすく、結果としてやる気の向上や離職率の低下に繋がると言われています。

社員エンゲージメント向上の手法や進め方

社員エンゲージメント向上の具体的な進め方

社員エンゲージメントの向上は、一日でやり切ることはできません。戦略的で継続的な取り組みが必要です。

まずは現状をしっかり把握し、明確な目標を立てた上で、会社全体で取り組んでいくことが大切になってきます。

まず自社のエンゲージメント現状把握と課題特定

エンゲージメント向上の取り組みを効果的に進めるためには、まず「うちの会社のエンゲージメントって今、どんな状態なんだろう?」「どこに課題があるのかな?」という現状を正確に知る必要があります。

具体的な方法としては、エンゲージメントサーベイ(アンケート調査のようなもの)の実施が挙げられます。

これは、社員が会社に対してどれくらい信頼感や満足感を持ち、貢献したいと思っているかを数値で測るもので、会社の状態を見える化し、課題を見つけるのに役立ちます。

サーベイには、年に1回じっくり行う年次エンゲージメントサーベイや、もっと短い間隔で特定のテーマについて聞くパルスサーベイ、そして「今の職場を友人に勧めたいですか?」というシンプルな質問で測るeNPSなど、いくつかの種類があります。

手法概要主な利点主な留意点活用例・頻度例
年次エンゲージメントサーベイ全社員対象の包括的な調査詳細なデータ収集、網羅的な課題把握社員の負担、回答率低下の可能性、即時性の欠如年1回程度の定期的な健康診断
パルスサーベイ短期間・特定テーマの簡易調査リアルタイムな状況把握、特定の変化への対応、社員負担軽減包括的な分析には不向き、質問設計の工夫が必要月1回、四半期に1回、組織変更後など
eNPS「他者への推奨度」を測る指標シンプルで測定・比較が容易、社員ロイヤルティの把握エンゲージメントの多面的な側面は捉えきれない定期サーベイの一部として、または単独で実施
1on1ミーティング上司と部下の定期的面談個別の状況・感情の把握、信頼関係構築、即時フィードバック上司のスキルに依存、時間的コスト、記録・共有の課題週1回~月1回程度
定性調査(インタビューなど)特定の社員グループへのヒアリング深層心理の理解、サーベイでは見えない「なぜ」の解明時間とコスト、対象者選定の難しさ、一般化の難しさサーベイ結果の深掘り、特定課題の解明時
既存データ分析離職率、欠勤率、生産性データなど客観的データの活用、他指標との相関分析エンゲージメントとの直接的な因果関係の特定は困難定期的なモニタリング

経営層と管理職を巻き込んだ全社推進体制

社員エンゲージメントの向上は、人事部だけの仕事ではありません。

会社のトップである経営層が本気で取り組み、日々社員と接する管理職が積極的に関わってこそ、初めて成功するものなのです。

経営層の役割は、まず自ら手本を示すこと。経営層自身がエンゲージメントの大切さを理解し、その向上を会社の重要な課題として引っ張っていく姿勢を見せることが何よりも重要です。

管理職の役割は、まず自分のチームのエンゲージメントに責任を持つこと。部下のやる気を引き出し、働きがいのある環境を作るキーパーソンとしての自覚が求められます。

エンゲージメント向上計画と明確な目標設定

現状を把握し、会社全体で取り組む体制ができたら、次は具体的なエンゲージメント向上計画を立て、その効果を測るためのハッキリとした目標を設定しましょう。

目標は、具体的で、測定可能で、達成可能で、関連性があり、期限が決まっている「SMARTの法則」に沿って設定するのがおすすめです。

計画策定のステップは、課題の優先順位付け、具体的な施策の立案、アクションプランの作成、関係者への周知と合意形成です。

明確な目標設定(KPI設定)では、エンゲージメント指標(eNPS、エンゲージメントサーベイスコアなど)と行動ベースのKPI(1on1ミーティング実施率、研修参加率など)の両面から設定すると効果的でしょう。

KPIカテゴリ具体的なKPI例測定方法・ツール例目標設定のポイント
全般的なエンゲージメントeNPS(従業員ネットプロモータースコア)定期的な匿名サーベイ業界ベンチマークとの比較、過去実績からの改善率
エンゲージメントサーベイスコア(総合・項目別)年次・パルスサーベイ特定課題領域のスコア改善、全社平均の向上
定着・離職関連離職率(全体・属性別)人事データ業界平均以下、前年比X%削減
定着率人事データ特定期間(例:入社1年後、3年後)の定着率Y%維持
行動・参加1on1ミーティング実施率上司・部下からの報告、スケジュール管理ツール全管理職の実施率Z%以上、部下一人あたり月A回実施
研修参加率・修了率LMS、研修後アンケート対象者全体の参加率B%以上、修了率C%以上
社内イベント参加率イベント参加登録、アンケート主要イベントの社員参加率D%
改善提案件数・採用数提案制度システム、会議議事録社員一人あたり年間E件の提案、採用率F%
コミュニケーション社内SNSアクティブユーザー率、投稿・コメント数SNS分析ツールアクティブユーザー率G%以上、月間投稿数H件
経営層メッセージの閲覧率・理解度社内ポータル分析、理解度確認テスト閲覧率I%以上、理解度テスト平均点J点
生産性・業績労働生産性(指標は業種による)業績データ、勤怠データ労働生産性K%向上(エンゲージメント施策との相関を分析)
顧客満足度顧客サーベイ、NPS顧客満足度L%向上(エンゲージメント施策との相関を分析)

全社ビジョン共有と個人目標の連携強化

会社のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を社員全員にしっかりと伝え、それを一人ひとりの仕事の目標と結びつけることが、エンゲージメントを高める上でとても大切です。

全社ビジョンを効果的に伝える方法としては、経営層が自らMVVを体現し、熱意を持って繰り返し伝えることが不可欠です。

個人の目標と連携を強めるには、「カスケードダウン」という方法が有効です。

定期1on1とオープンな対話で風通し改善

定期的な1on1ミーティングとオープンな話し合いを促す職場環境づくりは、社員のエンゲージメント向上に欠かせません。

定期的な1on1ミーティングの効果的な進め方では、目的をはっきりさせること(部下の成長支援、信頼関係構築)、適切な頻度と時間、傾聴の姿勢が重要になります。

オープンな対話を促す職場環境づくりにおいては、心理的安全性の確保、情報共有と透明性の向上が有効でしょう。

公平な評価基準と納得できるフィードバック

社員が自分の働きや成果に対して公平に評価され、納得のいくフィードバックを受けることは、やる気とエンゲージメントを保ち、高める上でとても大切です。

公平な評価基準を作るポイントとしては、明確さと透明性、客観性と測定可能性などが挙げられます。

納得できるフィードバックの具体的な進め方においては、タイミング(日常的、タイムリー)、具体的で行動に焦点を当てた内容が重要です。

社員の成長を促すキャリア支援と研修機会

社員が自分の将来のキャリアプランを主体的に考え、その実現に必要なスキルや知識を身につけられるようなキャリア支援プログラムや質の高い研修の機会を提供することが、社員のエンゲージメント向上に直接繋がります。

具体的なキャリア支援プログラムとしては、キャリアコンサルティング・面談、メンター制度などがあります。

効果的な研修機会の提供においては、階層別研修、専門スキル研修などが挙げられます。

働きがいと私生活両立の職場環境と福利厚生

社員が仕事に真のやりがいを感じつつ、私生活とのバランスを保てる職場環境の整備、そしてそれを支える福利厚生制度の充実は、社員エンゲージメント向上に不可欠です。

働きがいのある職場環境づくりのポイントは、心理的安全性の確保、適切な業務負荷と裁量権などです。

私生活との両立支援では、柔軟な働き方(フレックスタイム制、テレワーク)が重要になります。

リーダー育成とチーム連携で組織力アップ

エンゲージメントの高い組織を作るためには、部下のエンゲージメントを引き出すリーダーの育成と、部門やチーム間のスムーズで効果的な連携体制の確立が重要です。

エンゲージメントを高めるリーダー育成では、体系的なリーダーシップ研修(コーチングスキル、傾聴力など)が有効です。

チーム連携強化のための施策としては、チームビルディング活動、部門横断プロジェクトの推進などが挙げられます。

社内オウンドメディアによる従業員エンゲージメント向上

社内報やイントラネット、社内SNSといった「社内オウンドメディア」は、情報伝達だけでなく、会社の考えを浸透させたり、社員が参加しやすくしたり、コミュニケーションを活発にしたり、お互いを褒め合う文化を作ったりと、色々な目的で活用でき、社員のエンゲージメント向上に大きく貢献する可能性を持っています。

企業理念浸透のための社内メディア活用

社内オウンドメディアは、企業のMVVといった企業理念を社員に繰り返し伝え、理解と共感を深めるための強力なツールです。

具体的なコンテンツ事例としては、経営層からのメッセージ動画・記事、理念を体現する社員インタビューなどがあります。

社員参加型コンテンツで社内の一体感醸成

社員がコンテンツの企画や制作、出演などに積極的に関わる「社員参加型コンテンツ」は、社内コミュニケーションを活性化し、部門間の相互理解を深め、会社としての一体感を育む上でとても効果的です。

具体的な企画アイデアとして、社員インタビュー・自己紹介、部署・チーム紹介、イベントレポートなどがあります。

経営層メッセージ発信による社員の士気向上

経営層からタイムリーで透明性の高いメッセージを発信することは、社員の不安を解消し、会社の進むべき方向への理解を深め、組織への信頼感を育むことで、社員の士気(やる気)とエンゲージメントを高めます。

社員の士気を高め、共感を呼ぶためのポイントは、透明性と誠実さ、ビジョンと方向性を明確に示すこと、そして経営者自身の言葉で情熱を込めて語ることです。

社員の成果共有と称賛で良い社風作り

社内オウンドメディアを活用して、社員の成果を積極的に共有し、お互いに褒め合う文化を作ることが、明るい職場環境を作り上げて社員のやる気とエンゲージメントを高める上でとても効果的です。

成果の見える化と共有、称賛文化を作るための仕組み(ピアボーナス制度など)、定期的な表彰制度が挙げられます。

最新技術の社員エンゲージメント向上への活用

AIやゲーミフィケーションといった新しい技術が、社員エンゲージメントの分析や向上策で注目されています。

AIによる社員エンゲージメント分析と課題発見

AI技術は、社員エンゲージメントに関する多くのデータを分析し、これまで見過ごされてきたかもしれない課題や、エンゲージメントが下がり始めているサインを早めに見つけるための強力なツールとなる可能性があります。

AIはエンゲージメントサーベイの回答、社内コミュニケーションツールの利用状況、勤怠データなどを分析し、離職しそうな傾向などを特定します。

AI活用のメリットは、課題の早期発見と予防的な対応、一人ひとりに合った対策の提案です。

一方で、プライバシー侵害やアルゴリズムのバイアスといった注意点も存在します。

ゲーム要素で研修や社内行事を活性化

ゲーミフィケーションとは、ゲームで使われるような要素(ポイント、バッジ、ランキングなど)を、ゲーム以外の分野(例えば、会社の研修やイベントなど)に取り入れることで、参加者のやる気を高め、自分から進んで行動するように促す手法です。

企業研修や社内イベントに導入することで、参加者のエンゲージメントを高めることが期待できます。

例えば、研修プログラムへの応用(ポイント付与、ビジネスゲームなど)や、社内イベントへの応用(健康増進イベントなど)があります。

社員の心に響くエンゲージメント向上のポイント

社員の心に響くエンゲージメント向上のポイント

エンゲージメント向上の取り組みを成功させるには、制度だけでなく、社員一人ひとりの心や感情に働きかけるアプローチが欠かせません。

行動経済学で社員の自発的行動を後押し

行動経済学の考え方を応用することで、社員が自分から進んで望ましい行動を取りやすくなるような「仕掛け(ナッジ)」を作り、エンゲージメント向上に繋げることができるかもしれません。

行動経済学の概念には、「ナッジ」、「損失回避」、「社会証明(同調効果)」などがあります。

効果的な承認とフィードバックで意欲向上

社員の頑張りを認め、具体的なフィードバックを伝えることが彼らのやる気を引き出し、エンゲージメントを高める上でとても大切です。

承認(褒めること)は、社員の内発的なモチベーションを引き出すのに効果的です。具体的な行動を褒めると良いでしょう。

フィードバックは、部下の行動を振り返り、学びや改善、成長に繋げるためのアドバイスです。

リーダーの傾聴とコーチングで信頼構築

リーダーが部下の話にじっくり耳を傾ける「傾聴」と、部下の力を引き出す「コーチング」は、信頼関係を築き、エンゲージメントを高める上で欠かせないスキルです。

傾聴で大切なのは、相手の気持ちや考えを深く理解しようとすることです。

コーチングでは、リーダーが答えを教えるのではなく、質問を通じて部下自身に考えさせ、自発的な行動を促します。

社員のエンゲージメント向上に関するよくある質問

社員エンゲージメントの向上に取り組む上で、よくある質問とその回答をまとめました。

エンゲージメント向上の効果はいつ頃出る?

エンゲージメント向上の効果が現れる時期は、施策内容や会社の状況により異なります。

社員の意識変化は数ヶ月で捉えられることもありますが、組織文化の変革や業績への明確な影響には年単位の継続的な取り組みが必要になることも多いです。

少ない予算でもできるエンゲージメント向上施策は?

エンゲージメント向上は大きな予算がなくても可能です。

コミュニケーションの活性化(1on1ミーティングなど)や、経営理念・ビジョンの共有はコストをかけずに始められます。

承認と称賛の文化を育むことも低予算で効果的です。

経営層にエンゲージメント向上の重要性をどう伝える?

経営層にエンゲージメント向上の重要性を理解してもらうには、具体的なデータや事例を交え、企業経営へのメリットを分かりやすく伝えることが大切です。

エンゲージメントが高い企業は収益性や生産性が向上する点を強調しましょう。

また、人材確保と定着の観点も重要です。

【まとめ】社員のエンゲージメントを向上させるために実践すべきポイント

社員のエンゲージメントを高めることは、会社の成長に不可欠です。社員一人ひとりを大切にし、彼らの力を最大限に引き出す姿勢が重要になります。

まず、現状把握から始め、課題特定と具体的な計画・目標設定を行います。経営層や管理職が率先して関わり、全社で取り組む体制を作りましょう。

日々の業務では、会社のビジョンを共有し、個人の目標と結びつけることが大切です。

公平な評価と納得感のあるフィードバックはモチベーション維持に不可欠です。社員が成長を実感できるキャリア支援や研修機会、働きがいと私生活のバランスが取れる職場環境や福利厚生もエンゲージメント向上に繋がります。

社内報などの社内オウンドメディアやAI・ゲーミフィケーションといった最新技術も活用できるでしょう。


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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。

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