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マルチタスクができない・苦手な人の特徴と原因|集中力を高める改善方法を解説

2024.10.24 その他

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「業務遂行能力」とは、業務をやり遂げるための力を「保有能力」と「発揮能力」の2軸で捉える考え方です。知識やスキルをどのように行動へ転換し、成果につなげるか——。

本記事では、その意味と評価方法、さらに実際の行動例を交えてわかりやすく解説します。人事評価や人材育成の現場で、すぐに活用できる実践的な指針を紹介します。

なぜマルチタスクは人事を悩ませるのか

人事の仕事は、採用・育成・労務・制度運用など多岐にわたり、同時並行で進める場面が多い職種です。特に中小企業では、少人数で全領域を担当するケースも多く、突発的な対応が重なりやすい傾向にあります。

しかし、複数のタスクを切り替え続けることで思考が途切れ、集中力が低下。結果としてミスや判断の遅れを招きやすくなります。さらに、人事業務は人との関わりが多く、“会話や確認による中断”が頻発するため、脳の負荷が大きくなりやすいのです。

効率よく見えても、マルチタスクは生産性の低下やストレス増加につながる構造的なリスクをはらんでいます。
重要なのは「マルチタスクをこなすこと」ではなく、「マルチタスクにならない仕組み」を整えることです。

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マルチタスクのデメリット|集中力・生産性・ストレスの低下

マルチタスクは一見効率的に見えますが、実際には脳のリソースを奪い、生産性を著しく下げる要因となります。
特に、人事のように判断や調整が求められる仕事では、タスクの切り替えが積み重なるほどパフォーマンスが低下します。

集中力の低下|脳の切り替えコストが増える

マルチタスクは、脳に本来ない「同時処理」を強制するため、集中力を大きく消耗します。
スタンフォード大学の研究(Clifford Nass教授・2009年)によると、マルチタスクを日常的に行う人ほど、注意の切り替えや情報整理が苦手になる傾向が確認されています。

さらに、ロンドン大学の研究では、マルチタスクを続けると一時的にIQが10ポイント低下するという結果も報告されています(BBC Future, 2014)。
これは睡眠不足と同程度のパフォーマンス低下に相当するとされ、短時間の「ながら作業」でも集中力や判断力の精度が落ちることを示しています。

つまり、人事業務のように思考と判断を要する仕事では、マルチタスクが続くほど誤りや漏れが発生しやすくなります。効率的に見えて、実際には脳の処理速度を落とす非効率な働き方になっているのです。

出典: Clifford Nass, Eyal Ophir, Anthony Wagner(Stanford University, 2009)「Cognitive control in media multitaskers」PNAS/ University of London(via BBC Future, 2014)「Multitasking lowers your IQ and productivity」

生産性の低下|完了速度よりも精度が落ちる

複数の作業を同時に進めると、作業時間自体は長くなりがちです。
なぜなら、脳が“前のタスクに戻る時間”を要するため、切り替えのロスが全体の30〜40%を占めるとされています。
特に定型業務と企画業務を交互に行うと、思考の深さが失われ、成果の質も下がります。

ストレスの増加|常に追われる心理状態になる

マルチタスクは“終わらない仕事”という感覚を生み、慢性的なストレスを引き起こします。
脳が常に複数の課題を処理しようとするため、休むタイミングを見失い、燃え尽き症候群につながることもあります。
また、常に通知や依頼に反応してしまう「リアクティブ思考」が定着すると、創造的な発想がしづらくなります。

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マルチタスクができる人とできない人の特徴

マルチタスクが得意な人と苦手な人の違いは、「同時に作業できる量」ではなく、タスクを切り替える精度とスピードにあります。
できる人は限られた集中力を上手に配分し、瞬時に優先順位を見極められます。
一方で苦手な人は注意が分散し、どの作業にも中途半端に取り組んでしまう傾向があります。

マルチタスクができる人の特徴

マルチタスクができる人は、決して「何でも同時にこなせる超人」ではありません。
実際は、タスク間の切り替え精度が高く、無駄な思考の切り替えコストを最小化している人です。
具体的な特徴は次のとおりです。

集中のON/OFF切り替えが早い:仕事を始める前に「今やること」を明確にし、他のタスクを一時的に遮断できる。
優先順位を即時判断できる:緊急度・重要度をもとに処理順を決定し、タスクを積み上げない。
セルフマネジメント力が高い:時間・エネルギー・感情のコントロールが上手く、無駄な疲労を避ける。
外部刺激に強い:通知・雑音などに動じず、集中モードにすぐ戻れる。

神経科学的にも、こうした人は前頭前野のタスクスイッチ機能が高く、脳の処理負荷を減らしながら成果を出せることがわかっています。
つまり、できる人は「同時進行」ではなく、「高速単発処理」を連続的に行っているのです。

マルチタスクが苦手な人の特徴

マルチタスクが苦手な人は、同時進行を意識するほど思考が中断されやすくなり、
どのタスクにも集中しきれなくなります。
これは注意リソースの分散と呼ばれ、脳科学的には処理効率が低下する典型パターンです。
代表的な特徴は以下の通りです。

思考が中断されやすい:他の作業や通知が入ると、前の内容を思い出すのに時間がかかる。
完璧主義傾向がある:一つのタスクを終えるまで次に進めず、切り替えに時間がかかる。
優先順位が曖昧:重要度をつけられず、全タスクを同時に抱え込む。
感情に左右されやすい:焦りや不安で思考が乱れ、タスクが空回りする。

こうしたタイプは、タスク切り替えの負荷が積み重なり、認知的疲労が起きやすい傾向があります。
その結果、ミスが増え、仕事の満足度も低下します。
対策としては、次のような「一度に1つだけ集中する仕組み」を意識的に導入するのがおすすめです。

1.タスクを3件以内に絞り、終わるまで他を見ない
2.30分単位で区切る「ポモドーロ・テクニック」を導入
3.1日の終わりに「完了タスク」を見直し、翌日の優先順位を再設定

マルチタスクを効率的にこなす3つの工夫

マルチタスクを完全にやめることは難しいですが、「同時に進める」ではなく「順番に集中して処理する」ことで、生産性を大きく向上させることができます。ここでは、集中力を維持しながら効率的に仕事を進めるための3つの実践方法を紹介します。

1×10×1システム|優先度と集中力を両立するタスク処理法

「1×10×1システム」とは、仕事を「1分以内で終わるもの」「10分で終わるもの」「1時間かかるもの」に分類して片づける方法です。

まず1分以内で完了できる仕事をすぐに片づけて勢いをつけ、次に10分あれば終わる中タスクをまとめて処理します。最後に、まとまった時間を使って大きな仕事に集中します。

短時間で成果を積み上げることで達成感が得られ、シングルタスクのリズムを保ちながら仕事の全体効率が高まります。

パーキングロット思考|「あとで考える」を可視化する

マルチタスク中に別の仕事やアイデアが思い浮かぶと、集中が途切れてしまいます。そのような時は「パーキングロット思考」を活用しましょう。頭に浮かんだことを一時的にメモやタスク管理アプリに書き出し、後で見返すようにします。
これにより、頭の中の情報を“外部化”でき、今取り組んでいる仕事に集中しやすくなります。結果として、思考の分散を防ぎ、作業スピードと質がともに向上します。

ツール活用|タスクを一元管理して可視化する

効率的にマルチタスクをこなすためには、タスクやスケジュールの「見える化」が欠かせません。
GoogleカレンダーやTrello、Todoistなどを使って、進捗状況や優先順位を一目で確認できるようにすると、何をすべきか迷う時間を削減できます。
また、通知機能やリマインダーを活用することで、確認漏れやタスク抜けも防げます。

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マルチタスクを減らす3つの戦略

マルチタスクによる混乱やストレスを減らすには、「仕事を同時にこなす」のではなく、仕組みでタスクを分散・整理する戦略が必要です。ここでは、業務効率を高めながら集中力を取り戻すための3つの方法を紹介します。

ワークシェアリング|チーム全体で業務を分担する

マルチタスクの原因の多くは、「一人に仕事が集中していること」です。ワークシェアリングを導入し、チーム全体でタスクを分担することで、負荷の偏りを解消できます。
特に人事やバックオフィスでは、採用・労務・研修などの業務が属人化しやすいため、社内ナレッジを共有する仕組みが重要です。
たとえば、マニュアルやタスク進行をNotionやGoogleスプレッドシートで共有しておけば、誰でも対応できる状態をつくれます。これにより、担当者不在でも業務が滞らず、結果的にマルチタスク化を防げます。

アウトソーシング|専門タスクを外注して集中時間を確保する

専門的・定型的な業務を外部に委託するアウトソーシングは、マルチタスク回避の効果が高い手段です。
たとえば、採用代行(RPO)や経理代行、デザイン制作などを外部に任せることで、社内メンバーは本来のコア業務に集中できる時間を増やせます。
「何でも自分でやる」よりも、「集中すべき仕事にリソースを配分する」発想が重要です。外注先との連携をタスク管理ツール(Slack、Asanaなど)で一元化すれば、進捗管理の負担も最小限にできます。

優先度の整理|“やるべき仕事”を明確にする

すべての仕事を同時に片づけようとすると、注意が分散し、結果的にどれも中途半端になります。
そこで有効なのが、「重要度×緊急度」でタスクを4象限に分類する方法です。
緊急かつ重要な業務を最優先にし、重要だが緊急でないタスクには計画的に時間を確保する。反対に、緊急でも重要でない業務は委任または削減の対象にします。
優先度を整理することで、タスク処理に一貫性が生まれ、無駄なマルチタスクを防げます。

マルチタスクを減らすには、「分担」「外注」「整理」という3つの戦略を組み合わせることが効果的です。一人がすべてを抱え込む状態を解消することで、チーム全体の生産性と集中力を高めることができます。

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マルチタスクを改善するには?集中力を高める3ステップ

マルチタスクの弊害を減らし、生産性を高めるには「環境」「時間」「思考」の3つを整えることが重要です。集中力は意志力ではなく設計力で決まります。以下の3ステップを実践することで、注意分散を防ぎ、タスクを確実に完了できるようになります。

① 集中環境を設計する|注意を奪う要素を物理的に排除

最初のステップは、環境を整えて集中を“発生しやすくする状態”を作ることです。意志ではなく環境によって集中を維持する仕組みを作ると、意図しない中断が激減します。

具体的な方法
・通知・チャット・メールのON/OFF時間を固定する(例:午前中は通知をオフ)
・同時進行数(WIP)を2件以下に制限する
・机の上やデスクトップを「今の作業だけ」に限定する
・ヘッドホン・集中アプリなどで雑音をカット

集中環境は「習慣の土台」。環境が整うだけで集中の立ち上がり時間が約40%短縮されるという研究もあります。

② 時間を区切る|タイムボックスで思考の切替コストを減らす

次のステップは、時間をブロック単位で区切り、タスクごとに集中時間を明確化することです。これにより、マルチタスクで発生する“切替疲労”を防げます。

おすすめの手法
・ポモドーロ・テクニック:25分作業+5分休憩を1セットとして集中を維持
・1×10×1ルール:1時間単位で「1つの集中×10分整理×1分記録」を繰り返す
・タスク開始前に「終了条件(何を終えたら切替えるか)」を明確にする

時間を見える化することで、タスクの境界が明確になり、同時進行による混乱を防げます。

③ 思考をリセットする|認知の“余白”を確保する

3つ目のステップは、頭の中を“定期的にリセットする”ことです。タスクの切り替え時に脳内の情報を整理し、未完了タスクを一時的に外部化することで、集中の再立ち上げがスムーズになります。

おすすめの方法
・パーキングロット思考:中断したアイデアや未処理事項を付箋・ノートに書き出す
・1時間ごとに1分間の“メンタルチェック”を入れる(思考の残りを吐き出す)
・1日の終わりに「翌日やることリスト」を作成し、頭のメモリを解放する

この「思考の余白」をつくる習慣が、次の集中に直結します。脳科学的にも、情報整理のプロセスが記憶定着と創造性を高めることが示されています。

まとめ|マルチタスクを減らすほど成果が上がる

マルチタスクは「能力の問題」ではなく「構造の問題」です。集中できる環境・時間・思考の仕組みを整えることで、誰でもシングルタスクに近い状態を再現できます。まずは小さな行動から始めましょう。環境を整え、1つのタスクに集中できる時間をつくることが、最大の生産性向上につながります。

FAQ(よくある質問)

Q1. マルチタスクができないのは能力が低いからですか?
A. いいえ。多くの場合は「集中力リソースの配分」と「切り替えコスト」の問題です。人の脳は同時処理よりも高速な切り替えを得意とするため、並行作業が増えるほど注意が分散します。環境設計(通知オフ・静かな場所)、時間の区切り(タイムボックス/ポモドーロ)、思考のリセット(短い休憩・深呼吸)で十分に改善可能です。
Q2. マルチタスクを減らすにはどうすればいいですか?
A. タスクを「緊急/重要」の4象限で整理し、同時進行数(WIP)を意識的に絞りましょう。さらに、1日を3ブロックに分けてテーマ固定、会議や連絡はまとめて処理、思いつきはパーキングロット(保留メモ)へ退避すると切り替えコストを最小化できます。25分作業+5分休憩のポモドーロ法も有効です。
Q3. 苦手な人に向いている働き方は?
A. シングルタスク型の業務(ライティング、データ分析、バックオフィスなど)が向いています。チームでは役割分担と優先順位の明確化で、同時並行を避けつつ成果を最大化できます。個人では、集中時間をカレンダーでブロックし、通知を切って「一度に一つ」に集中する運用が効果的です。

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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。

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