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【例文つき】人事考課コメントの書き方|上司・本人コメントと職種別の文例を徹底解説

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人事考課コメントは、従業員の評価だけでなく、成長や納得感を左右する重要なフィードバックです。

しかし「どう書けばいいか分からない」「本人コメントの表現に迷う」という声は多く、特に職種ごとの評価ポイントや具体例を押さえていないと、曖昧で伝わりにくいコメントになりがちです。

本記事では、上司コメント・本人コメントの例文から、営業・事務・保育士・看護・介護・技術職などの職種別文例、評価基準別の注意点、NG例まで徹底解説します。今日からそのまま使える実践的な書き方をぜひご活用ください。

人事考課でのコメントとは

人事考課におけるコメントとは、評価の根拠を言語化し、本人の成長や次期の行動につなげるための重要なフィードバックです。単に印象を書くものではなく、「どの行動がどの評価につながったのか」を説明する役割を持ちます。

また、コメントの表現は、本人の受け取り方だけでなく、職場の人間関係や組織風土にも影響します。曖昧な表現や不適切な指摘は、誤解やモチベーション低下につながる可能性があるため、具体性・公平性・相手への配慮をもって書くことが不可欠です。

人事考課コメントは「評価の記録」であると同時に、「組織として大切にする行動や価値観を伝えるコミュニケーション」でもあるため、丁寧かつ戦略的に記入することが求められます。

人事考課の役割

人事考課は、単なる点数づけではなく、組織運営と人材育成の両面に関わる重要な仕組みです。
ここでは、人事考課が果たす3つの主要な役割を整理します。

昇給・昇進の根拠となる評価データの提供

人事考課は、給与改定・昇進・降格・配置転換など、人事上の重要な意思決定の基準となる公式データです。
評価コメントは、数字だけでは伝わらない「どの行動が評価につながったのか」を説明する役割を持ち、本人への納得感を高めるエビデンスとなります。

  • 「なぜこの評価になったのか」
  • 「どの成果や行動が賃金・昇進に影響したのか」

これらを明確にすることで、評価の透明性と公平性が担保されます。

企業方針や求められる行動の明確化

人事考課は、企業が重視する価値観や行動基準を従業員へ伝える「メッセージ」の役割も果たします。
評価コメントは、単なる感想ではなく、企業文化の浸透や行動指針の共有に直結します。

例:

  • 「顧客視点を重視する」
  • 「チーム協働を評価する」
  • 「改善提案を歓迎する」

評価基準に一貫性を持たせることで、組織全体の方向性が揃い、従業員が何を目指すべきか明確になります。

従業員のモチベーション向上と成長支援

人事考課は、評価結果をフィードバックすることで、従業員が強みを再確認し、改善点に気づく機会にもなります。
特に評価コメントは、次期の行動につながる“成長のヒント”として重要です。

  • 良い点 → 自信につながる
  • 改善点 → 行動変容につながる
  • 次の期待 → モチベーションを高める

人事考課は評価のためだけでなく、従業員の行動を促すマネジメントツールとして機能します。

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人事考課のコメントを書くときの注意点

人事考課コメントは、評価の理由を明確に伝え、本人の成長につなげるための重要なフィードバックです。しかし、表現が抽象的すぎたり、主観が入りすぎたりすると、評価の納得度が下がる原因になります。ここでは、評価者が必ず押さえておきたい3つの注意点を紹介します。

事実・数字・行動を使って“具体的に書く”

抽象的なコメントは本人の理解につながらず、改善行動も生まれません。
評価が高い点も改善点も、「事実」「数字」「行動」 のセットで具体化することが重要です。

例:

  • 「コミュニケーションが良い」
     →「週次会議での発言回数が平均5回に増え、議論が活性化した」
  • 「業務理解が深い」
    →「新人メンバーへ3回のOJTを担当し、引き継ぎが円滑になった」

このように、何が・どのように・どれだけ を明確にすることで、本人の納得感が高まります。
さらに書き方に迷う場合は、以下の記事も参考になります。
参考:人事評価コメントが書けない原因と書き方のコツ【例文つき】

評価コメントは“良い点と改善点”のバランスを取る

人事考課では、「褒めるだけ」「改善だけ」といった偏りのあるコメントは逆効果です。
肯定的な点と改善点の両方をセットで書くことで、本人が冷静に受け止めやすく、成長につながるフィードバックになります。

例:

  • 良い点(成果・姿勢など)
  • 改善点(次の成長につながる行動)
  • 期待する役割(次期の方向性)

改善ポイントを書く際は、人格否定に近い表現ではなく、行動にフォーカスした提案型にするのが基本です。

よりよい伝え方を知りたい場合は、以下の記事が参考になります。
参考:【例文つき】フィードバックの伝え方|シーン別にポジティブ&ネガティブな表現をご紹介

主観やバイアスを避け“相手に配慮した表現”で書く

人事考課では、評価者の主観や印象が入り込みやすく、公平性を損なう原因となります。
特に以下は注意が必要です。

  • 性格や人間性への言及
  • 感情的な表現
  • 他者との比較(「Aさんより劣る」など)
  • 評価者の好み・相性が影響したコメント

公平で納得感のある評価を行うためには、事実ベースでコメントを書くこと、
そして評価者自身が認知バイアスの存在を理解しておくことが重要です。

バイアスが評価に与える影響については、こちらの記事で詳しく解説しています。
参考:人事評価のエラー・バイアス10選|不公平を防ぐ仕組みと改善策を解説

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評価基準別の注意点

人事考課は、企業によって評価項目は異なりますが、一般的には「成果評価」「能力評価」「情意評価」の3つを中心に構成されます。ここでは、それぞれの評価基準における注意点と、コメントを書く際に意識すべきポイントを解説します。

成果評価(業績評価)の注意点|“結果”だけでなく“プロセス”も評価する

成果評価は、職務や目標に対してどれだけの結果を出したかを評価する項目です。しかし「数字の良し悪し」だけを書くと、本人の努力や状況を正しく反映できず、不公平感を生みやすくなります。

注意ポイント:

  • 結果だけでなく、達成までの行動・工夫・取り組み姿勢をセットで記載する
  • 個人の特性や担当領域を考慮し、「条件差(担当案件・市場状況)」を踏まえた評価にする
  • 他者と比較せず、設定目標に対する達成度で説明する
  • 成果が出なかった場合も具体行動に基づく改善提案につなげる

たとえば、「売上未達」だけなく、「新規見込み獲得のアポイント数は昨年比120%と増加しており、基盤づくりに貢献。来期は提案力強化が鍵となる」のように、行動と次の成長ポイントを示すと建設的な評価になります。

能力評価の注意点|“等級基準”とのギャップを明確に示す

能力評価は、企業が定める等級(グレード)における標準能力に対して、どこまで達しているかを判断する評価です。しかし、抽象的に書くと本人が理解しづらく、納得度が下がります。

注意ポイント:

  • 等級基準(役割期待)を踏まえて“何ができているか/不足しているか”を書き分ける
  • 「できている/できていない」ではなく行動事実で評価する
  • スキル・専門知識・問題解決力・チーム貢献など、複数軸で記述する
  • 改善点は“求める行動の言語化”をする

たとえば、「判断力が弱い」ではなく、「案件判断の際に上長確認が必要となる場面が多く、自立的な意思決定が今後の成長ポイント」のように行動ベースにすることで明確になります。

情意評価の注意点|“人間性ではなく行動”で書く(人格評価NG)

情意評価は、規律性・協調性・責任感・職場態度などを評価する項目です。
しかし、最も主観やバイアスが入りやすい領域のため、書き方に細心の注意が必要です。
注意ポイント:

  • 性格・人格ではなく“業務に表れた行動”のみを書く(人格否定に繋がる表現はNG)
  • 協力姿勢/コミュニケーション/責任感などの事実を記述
  • 責める形ではなく、“どう行動すれば改善できるか”を提示
  • ハラスメント・偏見につながる表現(生活習慣・価値観への言及)は避ける

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人事考課のコメントの失敗事例

人事考課のコメントは、従業員の成長や納得感に大きく影響します。しかし、書き方を誤ると、評価の公平性を損なったり、本人の信頼を失う重大なミスにつながります。ここでは、特に注意すべき代表的な失敗例を解説します。

他者との比較(評価の公平性・透明性を損なう)

人事考課コメントは、対象者の「行動・成果・改善点」だけを評価するものであり、他者との比較を持ち込むコメントは厳禁です。
NG例:

  • 「Aさんより成果が低い」
  • 「同部署のBさんほど主体性がない」

他者と比較するコメントには以下の問題があります:

  • 評価基準が不明確になり、納得性を失う
  • “評価者の主観”による偏り(バイアス)が混入しやすい
  • 比較された側が不必要に傷つく/関係性悪化につながる
  • 公平性が担保されず、人事制度への信頼を損なう

従業員を鼓舞する意図であっても、他者との比較は誤解を招きやすく、評価コメントとしては不適切です。
評価は、本人の行動と成果のみを基準として記述することが基本です。

人間性に踏み込みすぎる (人格否定・ハラスメントのリスク)

人事考課で対象にするのは、あくまで「業務上の行動・成果・スキル」です。
特に情意評価では、評価者の主観や価値観が入り込みやすいため、人間性に触れすぎるコメントは避けるべき代表的な失敗例です。
NG例:

  • 「気が弱い性格が問題」
  • 「考え方が幼い」
  • 「生活態度がだらしない」
  • 「もっとしっかりした人間になるべき」

こうした表現には以下のリスクがあります:

  • 人格への評価になり、業務との関連性が不明確
  • ハラスメント(パワハラ)の指摘につながる可能性
  • 従業員の尊厳を損なう/心理的安全性を壊す
  • 評価者の偏見や価値観が色濃く反映されてしまう

情意評価を書く際は、
「人柄」ではなく“業務に表れた行動”に落とし込むことが鉄則です。
例:

  • 「周囲への配慮が不足」 → ✕(抽象的)
  • 「会議で他者の発言を遮る場面が3回あり、議論が進みにくくなった」 → 〇(行動記述)

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職種別の人事考課コメント(上司コメント+本人コメントつき)

職種ごとに求められるスキル・成果・行動が異なるため、人事考課コメントも「どの業務で、どのように貢献したか」が明確に伝わるように書くことが重要です。
ここでは、主要職種について、上司コメントと本人コメントの双方を例文としてまとめました。

営業職の人事考課コメント

営業職の場合は、業績が数値化されているため達成度合いはコメントしやすい反面、従業員の今後のキャリアアップを意識して、チームとしての取り組みや成果にも触れる必要があります。

【上司コメント例】

日頃から既存顧客への深耕と新規開拓の両面で行動量を維持し、訪問件数と提案数を継続的に拡大した点は高く評価したい。結果として、部署全体の対前年比130%という成果に大きく貢献した。

個人としても目標の110%を達成し、自己管理能力や顧客理解の深さが成果に直結していた。一方で、今期は個での成果に偏る場面も見られたため、来期はチームの後進育成やナレッジ共有にも積極的に取り組んでほしい。

【本人コメント例】

既存顧客の課題を深くヒアリングし、提案の質を高めたことで目標達成につながったと感じている。来期は個人の成果だけでなく、チーム全体の売上向上に貢献できるよう、メンバーとの情報共有や後輩支援にも注力したい。

事務職の人事考課コメント

事務職は成果が可視化されにくいため、業務改善・正確性・他部署連携・サポート精神など行動ベースで具体的に記述することが重要です。

【上司コメント例】

備品管理の改善提案や業務プロセスの見直しに積極的に取り組み、部署全体の作業効率向上と残業削減に貢献した点を高く評価する。
また、採算部門を支える立場として前向きな姿勢を示し、周囲のモチベーション向上に果たした役割も大きい。

その発想力と調整力は他部門にも好影響を与えており、来期は後進育成にも力を発揮してほしい。

【本人コメント例】

日々の業務に加えて、効率化につながる提案やタスク整理を意識した結果、チームの業務負荷軽減に貢献できたと感じている。来期は後輩へのサポートも積極的に行い、より円滑なチーム運営に寄与したい。

保育士の人事考課コメント

保育士は業務範囲が広く、感情面が評価に影響しやすいため、安全・信頼・連携・環境づくりを軸として書くことがポイントです。

【上司コメント例】

園児一人ひとりに丁寧に目配りし、日々の様子を正確に保護者へ共有する姿勢は非常に信頼が厚い。また、観察を優先しやすいよう雑務の効率化にも取り組み、園全体の業務改善に貢献した点は大いに評価したい。

一方、申請書類の提出遅れが散見されたため、来期は自身の業務管理にも更に意識を向けてほしい。

【本人コメント例】

園児と保護者の双方が安心できる関わりを意識し、日々の記録やコミュニケーションに努めた。雑務の効率化など環境改善にも取り組めた一方、事務作業の遅れが課題だと自覚しており、来期は改善したい。

看護・介護職の人事考課コメント

看護・介護職は、安全性・正確性・判断力・チーム連携・利用者対応が評価の中心となります。精神的負荷が大きい職種のため、認めるポイント・支援ポイントをバランスよく記述することが重要です。

【上司コメント例】

機器・システムの取扱いが正確で、ミスのないオペレーションを継続していた点は高く評価できる。記録作業も丁寧で、業務効率と安全性の双方に貢献した。

また、多職種との連携や後進スタッフへのサポートが非常に的確で、チーム全体の雰囲気づくりにも良い影響を与えていた。利用者へのコミュニケーションも丁寧で、情報収集と報告の質が高く、サービス品質向上に寄与した。

【本人コメント例】

利用者の安全と安心を第一に、正確な処置と丁寧な記録を心がけた。チームのサポートや後輩フォローにも取り組むことができたため、来期はさらに判断力の向上や業務改善にも挑戦したい。

技術職の人事考課コメント

技術職は成果が数値で示されやすい一方、改善提案・技術習得・チーム協働にも触れると評価が立体的になります。

【上司コメント例】

プロジェクトの工程管理を徹底し、前倒しでの納品を実現した点は顧客からも高く評価されている。原材料の見直しや新技術の導入を積極的に行い、生産コスト15%削減を達成した点は大きな成果といえる。

また、チーム内での議論促進や改善提案が増えたことで、チームの成長にも寄与した。将来的なリーダー候補として期待している。

【本人コメント例】

工程管理や品質改善に取り組む中で、生産コスト削減につながる成果を出すことができた。来期はプロジェクト全体を俯瞰する力を伸ばし、リーダーとしての役割にも挑戦したい。

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まとめ

人事考課コメントは、単なる評価の補足ではなく、従業員の納得感と成長を左右する重要なフィードバックです。評価の役割を理解し、事実に基づく具体的な表現、良い点と改善点のバランス、そしてバイアスを排除した公平な記述が欠かせません。

また、成果・能力・情意の各評価基準では、数字・行動・プロセスに着目して書くことで評価の質が高まります。さらに、職種ごとに求められるポイントは異なるため、役割特性に応じたコメントを心がけることが重要です。適切な人事考課コメントは、従業員の成長を促し、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

FAQ(よくある質問)

Q1. 人事考課の本人コメントには何を書けばよいですか?
本人コメントは「評価期間の振り返り」と「今後の目標」を簡潔にまとめるのが基本です。具体的には、①達成できたこと(成果・工夫した点)、②うまくいかなかったことと学び、③次期に向けた改善点やチャレンジしたいこと、の3点を書くとバランスが良くなります。上司への要望を書く場合も、感情ではなく事実と希望をセットで伝えると建設的なコメントになります。
Q2. 上司コメントを書くときに最も注意すべきポイントは何ですか?
最も重要なのは、事実に基づいた具体的な表現と、公平性です。「頑張っていた」「イマイチだった」といった抽象的な言葉ではなく、数字や行動、場面を示して評価理由を説明します。また、他者との比較や人間性への言及は避け、評価基準(成果・能力・情意)に沿って書くことで、本人の納得感と人事制度への信頼を高めることができます。
Q3. 介護や事務など職種別にコメントを書き分けるコツはありますか?
職種ごとに「成果が見えやすいポイント」が異なるため、評価軸を明確にしてからコメントを書くことが大切です。営業なら売上や提案数、事務なら業務改善や正確性、介護・看護なら安全性やチーム連携、保育士なら保護者対応や園児への関わりなど、職種特性に合った行動と成果を具体的に記述します。同時に、個人の結果だけでなく、チームや利用者・顧客への貢献も盛り込むと評価が立体的になります。

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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。

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