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ロジハラ(ロジカルハラスメント)とは?何が悪いのか・言い方・対処法と企業の防止策を解説

公開日:2024.10.24 更新日:2025.12.25 ハラスメント対策

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社員のロジハラにどのように対応するべきか、ロジハラを予防するためにはどうするべきか、お困りではないでしょうか。
近年問題視されるロジハラは、明確な定義づけが難しく、対応策を整えておかなければ、問題の解決は困難を極めます。
この記事ではロジハラとは何か、ロジハラをしてしまう人の心理や会社としてロジハラに対処する方法まで解説します。ロジハラの対応にお困りの方はぜひ参考にして下さい。

目次

ロジハラとは

ロジハラとは「ロジカルハラスメント」の略称で、正論や論理的な指摘を一方的・過剰に突きつけることで、相手に精神的な負担を与える行為を指します。

論理的であること自体が問題なのではなく、相手の状況や感情を無視し、反論や逃げ道を与えない形で正しさを押し付けてしまう点が問題視されます。職場では上司・同僚間で起こりやすく、放置すると心理的安全性の低下や組織風土の悪化につながるため、正しい理解が欠かせません。

ロジハラの定義と特徴

ロジハラは、「論理的に正しいことを言っているから問題ない」と思われやすい点が特徴です。しかし実際には、相手を追い詰めるような伝え方や、感情を切り捨てる姿勢が伴うことでハラスメントと判断されます。
たとえば、相手の事情を聞かずに正論だけを並べ立てたり、「だからダメなんだ」と人格否定につながる言い回しをしたりするケースです。正論かどうかではなく、受け手にとって過度な精神的圧力になっていないかが重要な判断軸になります。

ロジハラはどのようなハラスメントに分類されるか

ロジハラは、法律上で明確に定義されている名称ではありませんが、パワーハラスメントやコミュニケーション型ハラスメントの一種として扱われることが一般的です。特に上下関係がある職場では、論理的な指摘が「指導」ではなく「圧力」になりやすい傾向があります。

ハラスメント全体の定義や、企業が取るべき基本的な対応については、「ハラスメントとは?増加の背景と企業が取るべき防止策・解決策もあわせて確認しておくと、ロジハラの位置づけを整理しやすくなります。

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ロジハラしてしまう人の心理

ロジハラは、相手を傷つけようとして行われるケースばかりではありません。多くの場合、本人に悪意やハラスメントの自覚がないまま起きている点が特徴です。特に、論理的思考を重視する職場では、正しさを優先するあまり、相手の受け止め方への配慮が抜け落ちてしまうことがあります。ロジハラにつながりやすい代表的な心理には、次のようなものがあります。

  • 相手よりも優位に立ちたいという無意識の欲求
  • 相手の感情や置かれている状況を想像できない状態
  • 「自分は正しい」という思い込みが強くなっている状態

相手よりも優位に立ちたいという無意識の欲求

ロジハラをしてしまう人の中には、意識・無意識を問わず、論理で相手を納得させることで自分の立場を強めたいという心理が働いている場合があります。特に上下関係のある職場では、「論理的に説明できる=自分が上である」という構図が生まれやすく、結果として相手を追い詰める言動につながります。

相手の感情や置かれている状況を想像できない状態

業務の正確性や成果を重視するあまり、相手の事情や心理状態への想像が後回しになることも、ロジハラの原因になります。たとえば、家庭の事情や体調不良など背景があるミスに対し、「本来は〇〇すべきだった」と正論だけを伝えると、相手は改善よりも萎縮を感じてしまいます。正論であっても、前提の共有がなければロジハラになり得る点は重要です。

「自分は正しい」という思い込みが強くなっている状態

過去の成功体験や評価が積み重なることで、自分の判断を疑わなくなる状態に陥ることがあります。この場合、相手が黙り込んだり反論しなかったりしても、「納得した」と解釈してしまいがちです。しかし実際には、反論できない心理状態に追い込まれている可能性もあります。正しさと伝わり方は別物であるという認識が欠かせません。

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ロジハラは何が悪いのか

ロジハラは「正しいことを言っているだけ」と見過ごされがちですが、放置すると個人だけでなく、職場全体に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。論理的な指摘そのものではなく、相手の立場や感情を無視した伝え方が続くことで、心理的な萎縮や不信感が生まれやすくなります。人事担当者としては、ロジハラを単なるコミュニケーションの問題として捉えるのではなく、組織リスクの一つとして理解することが重要です。

正論でも相手を追い詰めてしまう理由

ロジハラが問題になる大きな理由は、正論であるがゆえに相手が反論できず、精神的に追い詰められてしまう点にあります。論理的に正しい指摘を受けると、「自分が間違っている」「言い返せない自分が悪い」と感じやすくなります。その結果、本来は前向きな改善につながるはずの指摘が、自己否定や過度なプレッシャーに変わってしまうのです。正しさが武器になってしまう構造こそが、ロジハラの厄介な点といえます。

職場の心理的安全性を下げてしまう

ロジハラが常態化した職場では、「何か言うと正論で返される」「否定されるかもしれない」という不安が広がります。これにより、意見や相談が出にくくなり、心理的安全性が大きく損なわれます。心理的安全性が低下すると、ミスの共有や改善提案が減り、問題が水面下で深刻化する恐れもあります。安心して話せる環境を壊してしまう点は、ロジハラが組織に与える大きなリスクです。

組織全体の生産性や関係性に悪影響を与える

ロジハラの影響は、個人間の問題にとどまりません。萎縮したコミュニケーションが続くことで、チーム内の信頼関係が崩れ、連携や判断のスピードが落ちるケースも少なくありません。また、ストレスの蓄積による離職やメンタル不調につながる可能性もあります。結果として、組織全体の生産性やエンゲージメントを下げてしまう点で、ロジハラは経営・人事の観点からも無視できない問題といえます。

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ロジハラを受けた場合の対処法

ロジハラを受けたとき、「正論だから我慢すべき」「自分が悪いのかもしれない」と感じてしまう人は少なくありません。しかし、正論であっても、相手を追い詰める形になっていれば問題です。感情を押し殺して耐え続けることは、状況を改善するどころか、ストレスやパフォーマンス低下につながります。個人としてできる対処を知っておくことはもちろん、人事としても適切な支援につなげる視点が求められます。

正論と感情を切り分けて受け止める

ロジハラを受けた際にまず意識したいのは、「指摘内容の正しさ」と「伝え方の問題」を切り分けることです。相手の言っている内容が一部正しかったとしても、感情を無視した伝え方や人格を否定するような言動は受け入れる必要はありません。すべてを自分の責任として抱え込まず、「これは言い方の問題だ」と整理するだけでも、精神的な負担を軽減しやすくなります。

その場で反論せず、距離を取る選択もする

ロジハラの場面では、無理にその場で言い返そうとしないことも重要です。正論を突きつけられる状況では、冷静に反論すること自体が難しく、かえって事態が悪化することもあります。一度会話を区切り、時間を置いてから伝え直す、第三者を交えるなど、物理的・心理的な距離を取る選択も有効な対処法です。

信頼できる第三者や人事に相談する

ロジハラを一人で抱え込むことは、状況を長期化させる原因になります。信頼できる上司、同僚、人事担当者など第三者に相談することで、客観的な視点を得られる場合があります。特に人事部門は、個人間の問題としてではなく、組織リスクとして捉える役割を担っています。早い段階で共有することで、配置転換や指導方法の見直しなど、適切な対応につながりやすくなります。

伝え方を変えることで関係性が改善する場合もある

状況によっては、自分から伝え方を工夫することで、関係性が改善するケースもあります。たとえば、「正しさ」への反論ではなく、「その言い方だと少し辛く感じる」と感情を主語にして伝えることで、相手が気づく場合もあります。こうしたコミュニケーションの工夫については、
【例文つき】フィードバックの伝え方|シーン別にポジティブ&ネガティブな表現をご紹介も参考になります。

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ロジハラにならないためのポイント

ロジハラは、特別な人だけが起こす問題ではなく、誰でも無意識のうちに加害者側になってしまう可能性があります。特に、論理的思考や成果を重視する職場ほど注意が必要です。ロジハラを防ぐためには、「正しいかどうか」ではなく、「どう伝わるか」という視点を持つことが欠かせません。
日常のコミュニケーションで意識したい主なポイントは、次の3つです。

  • まずは相手の話を聞くこと
  • 言い方や伝える順番に配慮する
  • 正論が常に正しいとは限らないと知る

まずは相手の話を聞くこと

ロジハラを防ぐうえで最も重要なのは、結論や正論を伝える前に、相手の話を十分に聞く姿勢です。ミスや課題があった場合でも、いきなり原因や改善策を提示するのではなく、「どういう状況だったのか」「何に困っていたのか」を確認することで、受け止め方は大きく変わります。話を聞いてもらえたという実感があるだけで、同じ内容でもハラスメントと受け取られにくくなります。

言い方や伝える順番に配慮する

ロジハラは、「内容」よりも言い方や順番によって発生するケースが多くあります。否定から入るのではなく、事実の共有や相手の努力を認めたうえで改善点を伝えるだけでも、印象は大きく変わります。また、「なぜできなかったのか」ではなく、「次にどうすればよいか」という未来志向の伝え方を意識することも有効です。具体的な言い換えについては、【例文つき】フィードバックの伝え方|シーン別にポジティブ&ネガティブな表現をご紹介が参考になります。

正論が正しいとは限らないことを知る

論理的に正しい意見であっても、相手の状況や心理状態によっては受け取れない場合があるという前提を持つことが重要です。
正論を伝えることが目的ではなく、相手の行動や状況が改善されることが目的であるなら、その時点での最適解は変わることもあります。「正しさ」と「適切さ」は別物であると理解することが、ロジハラ防止の第一歩です。

企業でロジハラに対応する方法

ロジハラの問題を放置すると、職場環境の悪化や人材流出など、企業にとって大きなリスクになります。ロジハラは個人間のトラブルに見えても、企業としての初動対応や体制整備が不十分だと深刻化しやすい問題です。ここでは、ロジハラが起きた際に企業として取るべき対応の考え方を解説します。

ハラスメントへの対応体制を整える

ロジハラに対応するためには、相談・報告・判断の流れを明確にした体制づくりが欠かせません。ロジハラはパワーハラスメントの一種と捉えられることも多く、他のハラスメントと複合的に発生するケースもあります。そのため、ロジハラ単体ではなく、ハラスメント全般に対応できる仕組みを整えておくことが重要です。

企業として毅然とした対応方針を示さなければ、対応が属人的になり、判断基準が曖昧になってしまいます。結果として、被害者が声を上げにくくなり、問題が表面化しないまま放置されるリスクも高まります。

組織の風通しをよくし、早期発見につなげる

ロジハラへの対応では、問題が深刻化する前に気づける環境づくりも重要です。組織の風通しが悪いと、被害があっても相談や共有が行われず、初動が遅れがちになります。日常的にコミュニケーションが取れている職場では、ロジハラの兆しに早く気づき、対応につなげやすくなります。

360度評価のように、一人の社員を複数の視点で捉える制度を取り入れることで、特定の価値観や正しさに偏りにくくなります。こうした仕組みは、ロジハラへの気づきやすさを高めるだけでなく、コミュニケーションの質を改善する施策としても有効です。

フィードバックを属人化させず、対応の質を高める

ロジハラへの対応を個人任せにしてしまうと、指導の仕方や判断基準にばらつきが生じ、問題が再発しやすくなります。フィードバックの考え方や伝え方を組織内で共有し、共通認識として持つことで、対応の質を一定に保つことができます。こうした仕組みは、ロジハラが起きた際の初動対応をスムーズにし、問題の長期化を防ぐうえでも重要です。

フィードバックを組織文化として根付かせる方法については、
フィードバック文化を浸透させるには?メリットや実践方法を徹底解説もあわせて確認すると、より具体的な施策を検討しやすくなります。

組織としてロジハラを防ぐためにできること

ロジハラは、個人の性格や伝え方の問題として扱われがちですが、実際には組織のコミュニケーション設計や評価の仕組みが大きく影響する問題です。正論を言うこと自体を否定するのではなく、「どう伝え、どう受け止められるか」を組織全体で共有することが、ロジハラ防止の第一歩になります。人事としては、個人任せにせず、制度や仕組みで支える視点を持つことが重要です。

フィードバックを一方向にしない仕組みをつくる

ロジハラが起きやすい職場では、指摘や評価が一方向に偏っているケースが少なくありません。上司から部下へ、正しさだけが伝えられる環境では、受け手は反論や相談がしづらくなり、結果として心理的な圧力が強まります。こうした構造そのものを見直し、双方向のやり取りが前提となる仕組みを整えることが、ロジハラの根本的な対策につながります。

360度フィードバックはロジハラ防止の一助になる

ロジハラ対策として有効なのが、360度フィードバックのように多角的な視点を取り入れる仕組みです。一人の正しさに依存せず、複数の立場からフィードバックを受け取ることで、「自分の伝え方がどう受け止められているか」に気づく機会が生まれます。
360度フィードバックがハラスメント防止や組織改革にどう役立つのかについては、
360度評価でパワハラは防げる?財務省に学ぶハラスメント防止と組織改革も参考になります。

研修と制度を組み合わせて再発を防ぐ

ロジハラを本質的に防ぐには、単発の注意や個人指導だけでは不十分です。
フィードバック研修やハラスメント研修を通じて共通認識を作り、それを評価制度や日常のコミュニケーションの仕組みと連動させることで、初めて再発防止につながります。「正しさをどう使うか」を組織の共通言語にすることが、人事に求められる重要な役割といえるでしょう。

ロジハラのまとめ

ロジハラは、正論そのものが問題なのではなく、伝え方や関係性によって相手を追い詰めてしまう点に本質があります。個人の注意や我慢だけで防ぐことは難しく、受け手の対処とあわせて、組織としての対応体制やフィードバックの仕組みを整えることが重要です。

一方向の正しさに偏らず、多様な視点を取り入れることで、ロジハラは未然に防ぎやすくなります。人事としては、制度と文化の両面からコミュニケーションを設計していく視点が求められるでしょう。

FAQ(よくある質問)

Q1. ロジハラと「正論を言うこと」は何が違うのですか?
ロジハラは、正論そのものではなく、相手の状況や感情を無視して一方的に論理を押し付ける点が問題になります。 正論であっても、伝え方やタイミング次第では相手を追い詰め、精神的な負担を与えてしまうことがあります。 「正しいかどうか」だけでなく、「どう伝わるか」を考慮することが重要です。
Q2. ロジハラはパワハラとして扱われることがありますか?
状況によっては、ロジハラがパワーハラスメントに該当するケースもあります。 特に、上下関係のある職場で正論を使って相手を萎縮させたり、反論できない状況に追い込んだりした場合は、 パワハラと判断される可能性があります。企業としては、ロジハラも含めたハラスメント全般への対応が求められます。
Q3. 企業としてロジハラを防ぐために、まず何から取り組むべきですか?
まずは、ロジハラも相談対象に含まれることを明確にし、相談・対応の体制を整えることが重要です。 そのうえで、フィードバックの考え方や伝え方を共通言語として共有し、個人任せにしない仕組みを作ることが効果的です。 360度フィードバックなど、多角的な視点を取り入れる制度もロジハラ防止に役立ちます。


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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。

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