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リフレーミングとは?言い換えによるポジティブな影響や、心理学に基づいた例をわかりやすく解説

2024.12.05 その他

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日々の業務や人間関係において、問題や課題は避けられません。しかし、同じ出来事でも「見方を変える」ことで、新しい解決策が見つかったり、前向きな気持ちになれたりすることがあります。このような効果を生む心理学的手法が「リフレーミング」です。リフレーミングは、問題や状況の捉え方を意図的に変えることで、新たな視点や解釈を得る方法です。この記事では、リフレーミングの基本的な理論から、職場での具体的な活用法までを詳しく解説します。

リフレーミングとは?

リフレーミングとは、物事の見方や枠組み(フレーム)を変えることで、新たな価値や意味を見出す心理的な技法です。これにより、ネガティブな状況や感情をポジティブに捉え直し、解決策や行動への意欲を高める効果があります。

心理的枠組み(フレーム)とは

心理的枠組み、または「フレーム」とは、人が物事を捉える際に用いる視点や前提のことです。例えば、同じプロジェクトの遅延を「失敗」と見るか、「学びの機会」と見るかは、個人が持つフレームによって異なります。このフレームは私たちの思考や行動を強く制限する場合がありますが、適切に変えることで、視点を広げ、新たな可能性を発見する助けとなります

リフレーミングは、この枠組みを意図的に変化させることで、ネガティブな状況をポジティブに、または建設的なものに変える方法です。特に企業環境では、従業員が問題に直面した際、このフレームを柔軟に変えることで、ストレスを軽減し、解決策を見出す力を高めることができます

NLPが示唆するリフレーミングの理論的背景

リフレーミングはNLPというコミュニケーション心理学の概念です。

NLPはNeuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略で、別名、「脳の取り扱い説明書」とも呼ばれています。成功している人の共通点から体系化された、コミュニケーション能力の向上、目標達成に役立つスキルを学ぶものとして注目されています

このNLPでのリフレーミングでは、同じ事実であったとしても、見方を変えることにより、ネガティブに思えるものに、ポジティブな意味を持たせることも可能になります。
コップに半分水が入っていた場合、「半分しか入っていない」と捉えるか、「半分も入っている」と捉えるか、という話は有名な例の一つです。

どのような出来事にも必ずプラスの意味があり、これにより選択肢の広がりをも教えてくれるものです。

ポジティブシンキングとリフレーミングの違い

ポジティブシンキングとリフレーミングは、しばしば混同されますが、その目的と方法には大きな違いがあります。

ポジティブシンキングは、物事の明るい側面だけを見る傾向があり、「前向きに捉える」姿勢を促します。一方で、リフレーミングは現実を否定することなく、枠組みを変えることで新しい理解を得ることを目的とします。例えば、業績目標を達成できなかった場合、ポジティブシンキングでは「次回はきっとできる」と楽観的に捉えますが、リフレーミングでは「今回の結果からどのプロセスを改善すれば良いかを見つける機会」として具体的な行動に繋げます。

ポジティブシンキングが感情のコントロールに寄与する一方で、リフレーミングは実際の問題解決や建設的な行動につながる点が特徴です。

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リフレーミングの5つの効果

リフレーミングの効果は、多岐にわたり個人や組織の成長に大きく寄与します。視点を変えることで問題解決の糸口が見えたり、ストレスを軽減したりするだけでなく、チームや職場のコミュニケーションを円滑にする心理的な働きも期待できます。以下では、具体的な効果について詳しく解説します。

問題解決能力の向上

リフレーミングは、既存の問題を異なる視点で捉え直すことで、これまで見えなかった解決策を発見する助けになります。例えば、売上が伸び悩む状況を「競争が激化しているから無理だ」と捉える代わりに、「顧客ニーズが変化しているサイン」と捉えることで、新たな戦略を立案できる可能性があります。このような視点の転換は、特に人材育成やプロジェクトマネジメントで役立ちます。

モチベーションの向上

リフレーミングは、ネガティブな状況を新たな視点で捉えることで、モチベーションの向上につながります。例えば、厳しい売上目標に対して「無理だ」と諦めるのではなく、「達成できればキャリアに大きな価値がある」と考え直すことで、取り組む姿勢が変わります。また、従業員が自分の役割や仕事の意義を再確認することで、自発的に取り組む姿勢が育まれます。特に、日々の業務がマンネリ化している場合、業務の「価値」や「目的」を再解釈することで、新たなやる気を引き出すことが可能です。

リフレーミングは、個人だけでなくチーム全体の士気を高め、組織の生産性向上にも寄与します。

コミュニケーションの質の向上

自己評価の向上

職場では、常に結果に追われ、小さな失敗や成功の連続です。
このような中で失敗が続いてしまうと、どうしても自信を失ったり、仕事へのモチベーションも下がったりします。このような時に、失敗の状況の枠組みを変える、または起きたことの意味を変えることで、必要な学びであったり、手順の見直しの機会だったり、と成長や発展のために活かすことができるようになります。

失敗したからこそ得られるものがあると受け取るものが変化すれば、自信を失ってしまうような局面でも、成長への自信へと変化し、自分に対する評価も大きく向上していきます。

職場でのコミュニケーションは、相手の意図や感情を正しく捉えることが鍵となります。リフレーミングを活用すると、ネガティブな発言や行動の背景にある心理を理解しやすくなり、対話が円滑になります。たとえば、「意見を頻繁に変える部下」を「柔軟に状況に適応している」と捉えれば、建設的な指導が可能です。

また、同僚や上司との意見の食い違いを「衝突」ではなく「多様な考え方の共有」として認識することで、相手に対する理解と協力意識が生まれます。この手法を活用することで、フィードバックや評価プロセスがよりスムーズになり、組織全体の信頼関係を深めることができます。

ストレスの軽減

フレーミングは、ストレスを引き起こす状況や出来事の意味付けを変えることで、感情的な負担を軽減する効果があります。例えば、「タスクが多くて疲れる」という状況を「自分が重要な役割を担っている証」と捉え直すと、ネガティブな感情がポジティブなエネルギーに変わります。

従業員が仕事上のプレッシャーや人間関係の悩みに直面した際、リフレーミングを通じてストレスマネジメントを支援することで、離職率の低下や健康的な職場環境の実現につながります

リフレーミングの種類

リフレーミングは、物事の捉え方をどのように見直すかによって、さまざまな種類に分けられます。それぞれの手法が異なる状況や課題に適応できるため、適切な種類を選ぶことで効果的な視点の見直しが可能です。ここでは、リフレーミングの代表的な種類を取り上げ、その具体例とともに解説します。

状況のリフレーミング

状況のリフレーミングとは、発生している状況をそのまま受け取るのではなく、異なる角度から捉え直すことで新たな解釈を生み出す手法です。たとえば、業務プロセスの停滞や予期せぬ変更が起きた場合、それを単なる「計画の遅延」と見るのではなく、「プロセスを最適化し、将来の効率を向上させる機会」として捉えることで、チーム全体の対応方針が明確になります。この手法は、問題そのものに対する解釈を変えることで、解決策を探る思考の柔軟性を促進します。

内容のリフレーミング

内容のリフレーミングは、発生した出来事そのものに新しい意味や解釈を付加する方法です。例えば、顧客からの厳しい指摘を「改善のヒント」として捉え直すことで、行動の方向性を建設的に転換できます。この手法は、出来事を捉え直すことで困難を受け入れやすくなり、対応策を見つけやすくする効果があります。

時間のリフレーミング

時間のリフレーミングは、現在の出来事を長期的な視点で捉え直す方法です。たとえば、「今はつらい状況」と感じる事象も、「将来の成功の基盤」として再定義することで、前向きに取り組むきっかけを作れます。この方法は、将来的な視点から価値を見出すため、社員が現在の困難に対して忍耐強く対応できるようになります。

視点のリフレーミング

視点のリフレーミングは、自分以外の立場から物事を捉える手法です。たとえば、上司が部下の立場に立ち、「どうしてこのような行動を取ったのか」と考えることで、より深い理解を得ることができます。この手法は、職場での誤解を減らし、コミュニケーションを改善するのに役立ちます。

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リフレーミング実施の3つのステップ

リフレーミングを効果的に行うには、状況や相手に合わせて段階的に進めることが重要です。以下の3つのステップを紹介します。
・現状を客観的に把握する
・ 視点を変えるための選択肢を考える
・新しい解釈を具体的な行動につなげる

現状を客観的に把握する

最初のステップは、現状を正確に捉え、問題の本質や背景を理解することです。相手や自分がどのように状況を認識しているかを明確にすることで、適切なリフレーミングの方向性を見極めることができます。例えば、「チームの成果が思うように出ない」という問題がある場合、焦点を「何が原因なのか」「どの部分が改善可能か」と具体化することが重要です。この段階では、事実と感情を分けて整理することがポイントです。

視点を変えるための選択肢を考える

次に、状況を別の視点から見るための言い換えや解釈を探ります。この段階では、ポジティブな側面や新しい価値を見出す方法を考えることが求められます。例えば、「チームの成果が出ない」を「現在のプロセスを見直し、改善する機会」として捉えることで、行動の方向性を建設的に変えることができます。このステップでは、問題を部分的に解体したり、過去や未来の視点から再評価するなど、柔軟な思考が鍵となります。

新しい解釈を具体的な行動につなげる

最後のステップは、新しい視点をもとにした行動計画を立てることです。リフレーミングで得た新しい解釈を単なる思考に留めず、具体的な行動に落とし込むことで、実際の変化を生み出します。例えば、「チームの改善機会」という捉え方をしたならば、「今月中にメンバーとの1on1を実施して、改善点を洗い出す」といった行動に繋げます。この段階で行動が明確であるほど、リフレーミングの効果が持続します。

5つのリフレーミング手法

3つのステップを具体的にどのように進めていくかについて、5種類のリフレーミング手法を紹介します。以下のリフレーミングにあてはめて考えてみると、スムースに進められるでしょう。

言葉のリフレーミング

言葉のリフレーミングは、使う言葉を意図的に変えることで、物事や人の捉え方を変える手法です。たとえば、行動や性格に対してネガティブに捉えられがちな表現を、ポジティブな価値に置き換えることで、その人の強みを引き出します。この方法は、社員の特性や行動を前向きに解釈し、モチベーションを高めたり、成長を促したりする場面で有効です。

言い換えの例
「自主性がない」→「慎重に確認を行う姿勢がある」
「頑固だ」→「自分の意見をしっかり持っている」
「臆病だ」→「リスク回避能力が高い」

仮定のリフレーミング

仮定のリフレーミングは、「もし〇〇だったら」という仮定を基に、現状を理想的な状況に近づけるための行動や思考を引き出す手法です。この方法は、現実を一時的に離れた視点から考えることで、新たな行動や視点を促します。

例:
もしあなたがクライアント側の立場だったら?
もしこのプロジェクトが完璧に成功したら?

時間軸のリフレーミング

時間軸のリフレーミングは、現在の状況を過去や未来の視点から捉え直すことで、新たな意味や意義を見出す手法です。たとえば、今直面している困難を「将来の成功のための基盤」と考えることで、前向きに取り組む力が湧いてきます。
時間軸のリフレーミングを活用することで、社員が現状の課題に向き合いながら、未来の成功を見据えた行動を取るサポートができます。

分解のリフレーミング

分解のリフレーミングは、大きな問題や課題を小さな要素に分解して捉え直す手法です。一見複雑な問題も、部分ごとに取り組むことで解決策を見つけやすくなります。この手法は、問題解決が求められる場面で有効です。

例:
「顧客が満足していない」 → 「アンケート結果の主要3項目を改善しよう」
「競合に負けている」 → 「特定の市場セグメントでどのポイントが弱いのか分析しよう」

Wantのフレーミング

Wantのフレーミングは、「したくないこと」ではなく「したいこと」に焦点を当てて行動を促す手法です。たとえば、「ミスをしないようにしよう」ではなく、「ミスを防ぐために準備を徹底しよう」と言い換えることで、ポジティブな動機づけを作ります。

言い換えの例
「顧客に失礼な対応をしないようにする」→ 「顧客に信頼される対応を心掛ける」
「意見を否定されないようにする」→ 「相手に納得されるように伝え方を工夫する」
「チームメンバーの足を引っ張らないようにする」→ 「チームの成功に貢献するため、自分の役割を全うする」

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リフレーミングの活用例

ここでは、具体的なリフレーミングの活用例をご紹介します。

人材育成におけるリフレーミング

リフレーミングは、「異なる視点」を持つことで新たな気づきを得られるよう支援する手法として効果的です。たとえば、チーム内で意見がうまく通らないと感じる社員に対して、「相手の視点から見ると、あなたの提案がどのように受け取られるかを想像してみよう」と促すことで、コミュニケーションスキルを高める学びの場にできます。異なる視点を取り入れることで、自らの役割や行動の意味を再評価し、成長のきっかけを掴むことができます。

組織開発におけるリフレーミング

リフレーミングは、部門間の対立や組織改革の場面でも効果を発揮します。例えば、組織改革で新しいシステム導入が一部社員に反発される場合も、「この改革は業務効率を上げる第一歩」と伝え、具体的なメリットを共有することで、前向きな協力姿勢を引き出せます。このように、リフレーミングは変化を受け入れる文化を育てる効果があります。

フィードバックにおけるリフレーミング

リフレーミングは、フィードバックを建設的に受け止め、社員が成長につなげるために効果的な手法です。たとえば、社員が「意見が会議で尊重されなかった」と感じた場合、「多様な意見を出してくれたおかげで活発な議論が生まれ、チームがさらに良い結論に至る可能性が広がった」と伝えることで、自分の意見が議論に寄与した価値を再認識させることができます。

特に、360度評価のように多角的なフィードバックが得られる場合、リフレーミングは一層有効です。複数の視点からの意見を「改善の具体的な手がかり」として捉え直すことで、社員が次の行動を明確にイメージしやすくなります。また、良い評価は「すでに備わっている強みをさらに伸ばすヒント」、改善点は「次の成長を生む鍵」として提示することで、フィードバックが社員の意欲を引き出すツールとして機能します

リフレーミングを行うときのポイント

リフレーミングを効果的に活用するためには、適切な手法とタイミングが重要です。以下に、相手の感情や状況を尊重しながら、ポジティブな変化を引き出すための具体的なポイントを紹介します。

相手の感情を受け止める

リフレーミングを効果的に行うには、相手の感情を十分に受け止めることが重要です。相手がストレスや不満を抱えているときに、すぐにポジティブな見方を提案すると「状況を軽視している」と捉えられる可能性があります。まずは「それは大変でしたね」「そのように感じるのは当然です」と共感の言葉を示すことで、相手が心を開きやすくなります。その後にリフレーミングを提案することで、前向きな視点を受け入れる余裕が生まれます。このプロセスを意識することで、相手が感情を整理しつつ、新たな視点をスムーズに

一方的に押し付けない

リフレーミングは相手に新たな視点を提供するものであり、一方的に「こう考えるべきだ」と押し付けるものではありません。たとえば、部下に「このミスは学びの機会です」と一方的に言うだけでは、相手の受け止め方に寄り添っていない可能性があります。リフレーミングを提案する際には、「こういう捉え方もできるかもしれませんが、どう感じますか?」と、相手の視点や意見を尊重する姿勢を持つことが大切です。

リフレーミング一覧を活用する

ネガティブな言葉をポジティブな視点に変換した辞典や一覧表を活用するのが有効です。たとえば、「慎重すぎる」という評価を「リスク管理が得意」と言い換えることで、短所と見なされがちな特性を強みに変える適切な表現を見つけることができます

こうしたツールを活用することで、フィードバックや評価面談の際に相手に寄り添った言葉選びが可能になり、社員がポジティブに受け止めやすくなります

さらに、短所を単にポジティブに言い換えるだけでなく、長所としてどのように活用できるかを具体的に示すことで、社員が次の行動に踏み出しやすくなります。例えば、「口数が少ない」を「周囲の意見をじっくり聞ける強み」と捉え、その特性を活かしてどう行動を変えるか提案することで、実際の行動変容を促す効果が期待できます。

参考:厚生労働省 リフレーミング
https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-hellowork/list/asahikawa/kyushokusha/reframing.html

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まとめ

今回はリフレーミングについて解説しました。リフレーミングは、視点を変えることで新たな行動や成果を引き出す強力なツールです。心理学に基づくこの手法は、人事業務だけでなく、組織全体の課題解決に大きく寄与します。本記事で紹介した例や手法を参考に、実務に取り入れてみてください。


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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。

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