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プランドハップンスタンス理論とは?偶然をキャリアに活かす考え方と実践法

2024.11.10 その他

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プランドハップンスタンス理論は、不確実で先行きの見通しが難しくなった今の時代に注目を集めるようになったキャリア形成に関する考え方です。しかし、どのような考え方なのか、どのように取り入れるかわからない人事担当者の方もいるのではないでしょうか。
今回はプランドハップンスタンス理論とはどのような理論なのか、実践方法や企業での取り入れ方まで解説します。従業員のキャリア形成にお困りの方はぜひ参考にしてください。

プランドハップンスタンス理論とは

プランドハプンスタンス理論とは、「計画された偶然(Planned Happenstance)」 と訳されるキャリア理論です。スタンフォード大学の教育学者 ジョン・D・クランボルツ教授 により、1999年に提唱されました。

この理論では、「キャリアの約8割は偶然の出来事によって決まる」 と考えられています。
しかし、重要なのは偶然を待つことではなく、偶然をチャンスに変える行動力と柔軟な思考です。

クランボルツ教授は、「予期せぬ出来事に前向きな姿勢を持つ人ほど、新しい可能性を掴める」と指摘しました。そのため、この理論は単なる心理学的概念に留まらず、現代のキャリア開発・人材育成・組織風土改革に応用できる実践的フレームワークとして注目されています。

キャリア理論の中での位置づけ

プランドハップンスタンス理論は、キャリア理論の中で 「柔軟適応型キャリア理論」 に分類されます。
従来のキャリア理論では、職業発達を「計画的・段階的」に積み上げることを重視してきました。たとえば、スーパーの発達理論では「人生全体を通して計画的にキャリアを形成する」こと、ホランドの職業選択理論では「個人の性格と職業の適合性」を重視しています。

一方で、プランドハップンスタンス理論は、こうした「計画的キャリア形成」とは異なる立場をとります。変化の激しい現代においては、すべてを事前に設計することは不可能であり、
むしろ 予測不能な出来事を成長のチャンスと捉える柔軟な発想 が重要だと説いています。

この理論は、「キャリアはコントロールするものではなく、出会いや偶然から“創発的に形成されていくもの”」という考え方を基盤としています。そのため、キャリア自律・副業・越境学習・リスキリングといった現代的な働き方にも深く通じています。

理論を理解することで、自分のキャリアを「計画的に設計する」だけでなく、「予期せぬチャンスを活かして柔軟に成長する」発想が身につきます。キャリア形成をより具体的に考えたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
キャリアプランとは?作り方・立て方のコツと将来設計の考え方

プランドハプンスタンス理論の3つの要点

この理論を理解するうえで重要な3つの要点は、以下の通りです。
・キャリアの約8割は偶然によって決まる
人生やキャリアの方向性は、計画よりも偶然の出来事に影響されることが多い。
・偶然を主体的に活かすことで成長できる
新しい環境に飛び込んだり、人脈を広げたりすることで偶然の機会を生み出すことができる。

このように、プランドハプンスタンス理論は「偶然を待たず、作り出す」考え方が根幹にあります。

プランドハップンスタンス理論が注目される理由

近年、プランドハプンスタンス理論が注目されている背景には、VUCA時代の到来があります。
変化が激しく、将来を予測することが困難な現代において、「一つの企業でキャリアを全うする」という前提は崩壊しました。

終身雇用や年功序列が薄れ、転職・副業・フリーランスが一般化する中で、“変化を受け入れ、柔軟にキャリアを築く力” が求められています。

この理論は、そうした社会変化に対応するための思考法として、企業研修・キャリア教育・大学のキャリア形成講義などにも導入されています。

プランドハップンスタンス理論の例

プランドハプンスタンス理論は、さまざまな分野で応用されています。

たとえば、スポーツ選手が怪我をきっかけに指導者としての道を開く研究者が偶然の失敗から新たな発見をするなど、予期せぬ出来事をキャリアの転機に変えたケースは数多くあります。

また、Apple創業者のスティーブ・ジョブズが語った「Connecting the dots(点と点をつなぐ)」という思想も、プランドハプンスタンス理論と通じる考え方です。

「今していることが将来どうつながるかは分からない。だが、好奇心に従って動くことが大切だ」
というメッセージは、まさに“偶然を味方につけるキャリア観”の象徴といえます。

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プランドハップンスタンス理論を実践する5つのポイント

プランドハプンスタンス理論を実践するには、偶然を引き寄せる環境づくりと、行動特性の意識が重要です。ここでは、理論を行動に落とし込むための5つのポイントを紹介します

好奇心 ― 未知の分野にも積極的に関わる姿勢

関心のある分野に限らず、未知のテーマにも積極的に触れることで、新しい出会いや発見が生まれます。好奇心を持ち続けることで、偶然のチャンスを自らの成長機会に変えられます。

持続性 ― 失敗してもあきらめない力

挑戦には失敗がつきものですが、諦めずに取り組み続けることが偶然を成果につなげます。
小さな成功体験を積み重ねることが、キャリアの安定にもつながります。

柔軟性 ― 変化を恐れず適応する姿勢

環境や状況が変化しても、固執せず柔軟に対応することで新しい可能性を見出せます。
特に組織異動や転職などの変化を前向きに受け止める姿勢が重要です。

楽観性 ― 失敗を前向きに捉える

失敗を悲観するのではなく、学びとして活かす思考がキャリア形成には不可欠です。
ポジティブな解釈ができる人ほど、偶然を成長に転換できます。

冒険心 ― リスクを恐れず行動に移す勇気

新しい挑戦には不安がつきものですが、リスクを取る勇気がなければ偶然は訪れません。
事前に準備を整えたうえで、一歩踏み出す決断が次のキャリアの扉を開きます。

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プランドハップンスタンス理論を個人が活用する方法

プランドハップンスタンス理論は、ただ偶然を待つのではなく、偶然を自発的に起こすことが求められます。実際にどのようなアプローチをすれば、偶然が起きる可能性が高まるか、解説します。

具体的な職業を定めず、方向性だけ決める

プランドハップンスタンス理論を活用するためには、具体的な仕事や職業を一つに定めるのではなく、仕事や職業の方向性だけ定めておくと、効果的です。

広い心で挑戦する

プランドハップンスタンス理論を生かすために必要なのが、広い心です。偶然を起こすためには、新しい仕事や環境に積極的に関わる姿勢が大切ですが、「やりたくない」と消極的な姿勢でいると偶然が起きる可能性は低くなります。
「こうすれば自分のキャリアにつながる」という気持ちを持ち、前向きに変化に向き合うことで、偶然を起こしやすくなるでしょう。

出会いや出来事を大事にする

プランドハップンスタンス理論では、偶然起きる出会いや出来事をきっかけに、新しいキャリアの道筋が開けることが多々あります。そのため、新しい人と出会える機会に積極的に関わるためにアンテナを貼っておくことが大切です。

プランドハップンスタンス理論を企業が活用する方法

企業で環境を整えることで、従業員が計画された偶然を起こしやすくなります。ここではどのように環境を整えればよいか、具体的な手法を解説します。

ジョブローテーション

ジョブローテーション制度を取り入れ、現状の仕事から積極的に別の仕事に変える機会を与えることで、計画された偶然を引き起こしやすくなります
プランドハップンスタンス理論は環境を変えることで生じることが少なくないため、意図的にプランドハップンスタンス理論を起こすうえで効果的といえるでしょう。

積極的に前向きな交流を促す

プランドハップンスタンス理論を起こすためには、組織の風通しをよくし、積極的な交流が促せていることが重要です。部署内でのやり取りだけではなく、他部署と交流する機会を作ることで、プランドハップンスタンス理論を起こしやすくなります。
例えば、他部署との交流会や外部の取引先などとの交流会があげられるでしょう。今まで出会っていない人との出会いで偶然キャリアに影響を与える可能性は十分にありえます。

キャリア計画は柔軟に

会社でキャリア計画を提示する際には、本人の希望が反映しやすく、柔軟に対応できるようデザインすることが重要です。
たとえば、企業によっては「この従業員はこのように配置すると力を発揮する」と断定し、同じ従業員を起用し続けてしまうことがあります。
今までお願いしていなかった業務を別の人に依頼するなどの方法で、新しいことへの挑戦を歓迎する組織風土をつくることで、偶然のキャリアアップにつながる可能性が高まります。
研修やワークショップを会社で企画し、これまでになかったキャリア形成の考え方を提供する方法も効果的です

組織の風通しをよくする

組織の風通しをよくすることが、偶然を起こすためには重要です。積極的な交流の機会を設けても、組織内でのパワハラなどのハラスメントがあるなど、人間関係が十分にできていない、人間関係に問題がある場合、交流の場を設けても、十分な効果は期待できません。
そのような場合は、組織の課題を改善し、交流がしやすい組織風土をつくる必要があります。自社で組織の課題を改善するのは難しい場合もあるため、外部の組織診断などを使う方法も選択肢です。

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プランドハップンスタンス理論のまとめ

プランドハップンスタンス理論は、終身雇用の崩壊や働き方の多様化により注目を集めているキャリア理論です。「偶然に身を任せる」のではなく、偶然を引き寄せる行動を意図的に起こすことが重要とされています。新しい経験や出会いを積極的に受け入れる人ほど、キャリアを柔軟に切り拓くことができます。この発想は、変化の多い時代において、個人だけでなく組織にも求められる姿勢です。

たとえば、CBASE 360のような360度評価制度を活用すれば、多角的な視点から強みや課題を把握し、社員が成長機会を見出すきっかけになります。

偶然をチャンスに変えるキャリア開発を実践することで、組織と個人の双方に成長の連鎖が生まれるでしょう。

FAQ(よくある質問)

Q1. プランドハップンスタンス理論とはどのような考え方ですか?

プランドハップンスタンス理論とは、「キャリアの8割は偶然の出来事によって決まる」とされる理論で、偶然を待つのではなく、行動によってチャンスを引き寄せることを重視します。変化の激しい現代社会において、計画通りにいかない状況でも柔軟に対応し、成長の機会を見出す考え方として注目されています。

Q2. プランドハップンスタンス理論はどんな人に向いていますか?

「キャリアの方向性が定まらない」「やりたいことが見つからない」と悩む人に特に向いています。理論の核心は「偶然を恐れず、行動を続ける」こと。完璧な計画を立てるよりも、興味や関心を持ったことに一歩踏み出すことで、新しいチャンスが生まれる可能性が高まります。

Q3. 企業がプランドハップンスタンス理論を活用するには?

企業では、社員が偶然の学びや出会いを活かせるよう、柔軟なキャリア支援や評価制度を整えることが効果的です。たとえば、多面評価制度を導入し、さまざまな立場からのフィードバックを受けることで、社員が新しい可能性に気づく機会を増やせます。


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HRコラム編集部

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