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カスハラ対策が形骸化する理由とは?エンゲージメント低下を防ぐ方法

公開日:2026.02.19 更新日:2026.02.20 エンゲージメント向上

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カスハラ対策を整備しても、「現場が守られていない」「相談が上がってこない」と感じる企業は少なくありません。マニュアルや窓口があっても機能しないのは、制度の問題ではなく“運用と支援設計”に原因があるからです。本記事では、カスハラ対策が形骸化する構造を整理し、管理職支援やフォロー体制の整備など、エンゲージメント低下や離職を防ぐための実践ポイントを解説します。

目次

カスハラ対策は「現場の問題」ではなく「組織の課題」になっている

カスハラは「対応した人が大変だった」で終わる話ではありません。放置すれば、職場全体の信頼や働きやすさに影響し、エンゲージメント低下につながります。なお、カスハラの定義や判断基準、法律上の位置づけ、基本的な対処法については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考:「カスタマーハラスメント(カスハラ)とは何?法律や対処法を徹底解説」

ここで注目したいのは、カスハラを単なる顧客対応の問題として捉えるのではなく、職場の信頼や従業員の働きやすさに影響する組織課題として捉える視点です。現場の負担が積み重なれば、チーム全体の空気やマネジメントにも影響が広がります。

2025年6月の労働施策総合推進法の改正では、企業にカスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が義務付けられ、相談体制の整備や方針の明確化が求められる段階に入りました。

とはいえ、制度を整えただけで現場が守られるわけではありません。
マニュアルや窓口があっても、「結局その場で耐えるしかない」と感じていれば問題は残ります。カスハラは個人対応の話ではなく、組織としてどう支えるかという設計の課題です。

ここからは、なぜカスハラが“組織課題”にまで広がるのか、その構造を整理します。

顧客対応を現場任せにすると限界が来る

カスハラが発生したとき、最前線にいる従業員がその場で対応し続ける運用は、短期的には成立しても長期的には破綻しやすいです。理由はシンプルで、現場の裁量には限界があり、対応の責任だけが積み上がっていくからです。特に接客や窓口業務では「断ると炎上しそう」「上司に迷惑をかけたくない」といった心理が働き、無理な要求を受け入れてしまうこともあります。結果として、従業員は「守られていない」と感じ、職場への信頼が揺らぎます。カスハラ対応は現場の根性論ではなく、会社が支える前提で設計する必要があります。

顧客対応と従業員保護のバランスが崩れると不信感が生まれる

顧客を大切にする姿勢そのものは当然重要です。ただし、その価値観が強すぎて「何があっても顧客を優先する」「現場が我慢すればいい」といった運用になってしまうと、従業員の側には強い不信感が残ります。特にカスハラのような理不尽な要求に対して、会社が明確に守る姿勢を示さない場合、従業員は「ここでは安心して働けない」と感じやすくなります。

さらに、こうした空気は当事者だけでなく周囲にも伝わります。「次は自分がターゲットになるかもしれない」「相談しても無駄かもしれない」という不安が職場に広がると、心理的安全性は低下し、コミュニケーションが萎縮します。結果として、職場の雰囲気が悪くなり、エンゲージメントが下がり、離職のリスクも高まります。カスハラ対策では、顧客対応だけでなく、従業員を守る意思表示と運用のバランスが重要になります。

単発対応が積み重なり、慢性的なストレスになる

カスハラは、目立つ大きなトラブルだけが問題ではありません。むしろ現場では、怒鳴られる、人格否定される、長時間拘束されるといった出来事が繰り返され、「よくあること」として扱われてしまうケースが多くあります。こうした経験が積み重なると、従業員は常に緊張状態になり、仕事の意欲や集中力が削られていきます。

また、周囲の社員も「見ているだけで疲れる」「助けたいけど巻き込まれたくない」と感じ、職場全体の空気が悪化します。この状態が続くと、業務効率が落ちるだけでなく、顧客対応の質も低下し、さらにトラブルが増えるという悪循環が起きやすくなります。カスハラは単発の事故ではなく、職場環境を悪化させる慢性的なリスクとして捉え、組織全体でケアする必要があります。

カスハラがエンゲージメントを下げる3つのメカニズム

カスハラが問題なのは、単に嫌な思いをするからではありません。組織への信頼・発言行動・仕事への意味づけを同時に削っていくからです。これらはすべて、従業員エンゲージメントを支える重要な要素です。

なお、従業員エンゲージメントの定義や向上施策については、以下の記事で詳しく解説しています。
参考:「従業員エンゲージメントとは?向上させるための施策や事例を詳しく解説

ここでは、カスハラがエンゲージメントを下げる要因を3つに整理し、職場で何が起きているのかを分かりやすく解説します。

「会社は守ってくれない」という認知が広がる

カスハラが発生した際、企業の対応が曖昧だったり、現場任せに見えたりすると、従業員の中に「会社は自分を守ってくれない」という認知が生まれます。これは一度芽生えると簡単には消えません。

エンゲージメントの土台は「組織への信頼」です。
この信頼が揺らぐと、従業員は次第に以下のような行動を取り始めます。

  • 最低限の仕事しかしなくなる
  • トラブルを共有しなくなる
  • 「どうせ変わらない」と諦める

この状態は表面化しにくく、数値に現れたときにはすでに離職予備軍が増えていることもあります。エンゲージメント向上については別記事「エンゲージメント向上の方法とは?」でも解説していますが、カスハラはその土台を崩す強い要因になります。

心理的安全性が低下し、発言が減る

カスハラが放置されると、職場の心理的安全性は確実に低下します。心理的安全性とは、「ここで発言しても否定されない」「助けを求めても不利益を被らない」と感じられる状態のことです。

カスハラが起きたときに、

  • 相談しても改善されない
  • 上司が本気で向き合ってくれない
  • 逆に自分の対応を責められる

といった経験があると、従業員は発言を控えるようになります。
その結果、現場のリスク情報が上がらなくなり、問題は水面下で拡大します。

心理的安全性の詳細や高め方については、別記事(「心理的安全性とは?」)で詳しく解説しています。カスハラは、この安全性を直接的に損なう要因の一つです。

誇りややりがいが削られ、消耗感が強まる

カスハラが繰り返されると、従業員の中に「この仕事を続ける意味はあるのか」という疑問が生まれます。理不尽な要求に耐え続ける状態では、仕事への誇りや使命感は維持しにくくなります。

特に危険なのは、怒りや悲しみよりも“諦め”や“無関心”が広がることです。
感情が摩耗すると、挑戦意欲や改善意識も下がり、生産性にも影響します。

エンゲージメントが高い状態とは、

  • 自分の仕事に意味を感じられる
  • 組織に貢献している実感がある
  • 困難があっても支えられていると感じられる

状態です。カスハラはその真逆の状態を生み出します。だからこそ、人事は「顧客対応の問題」としてではなく、従業員体験(Employee Experience)の問題として捉える必要があります。

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離職・休職が増える職場で起きていること

カスハラの影響は、その場のトラブルで終わりません。対応が続く職場では、離職や休職がじわじわと増え、「人が定着しない職場」へと変わっていきます。表面的には“顧客対応が大変だから”と片付けられがちですが、実際にはもっと構造的な問題が潜んでいます。ここでは、カスハラが続く職場で起きやすい変化を整理します。

離職は“顧客対応の辛さ”だけが原因ではない

「クレーム対応がきついから辞めた」と語られるケースでも、実際の原因はそれだけではありません。多くの場合、離職を決定づけるのは“組織に守られていない”という感覚です。

たとえば、

  • 上司が間に入ってくれない
  • 相談しても具体的な改善がない
  • 同じ顧客トラブルが繰り返される

こうした状況が続くと、従業員は「ここでは長く働けない」と判断します。顧客対応の負担そのものよりも、支援の欠如や改善の兆しが見えないことが離職を後押しするのです。人事としては、退職理由の表面だけでなく、その背景にある組織構造を読み解く必要があります。

メンタル不調が増える職場の共通点

カスハラが常態化している職場では、メンタル不調や休職が増える傾向があります。特徴的なのは、個人の耐性の問題として処理されがちな点です。しかし実際には、次のような共通点が見られます。

  • トラブル後のフォロー面談がない
  • 業務量や配置の見直しが行われない
  • 「仕方ない」「どこでもある」と軽視される

こうした環境では、ストレスが蓄積しやすく、回復の機会も限られます。結果として、心身の不調が長期化し、休職に至るケースも増えます。問題は個人の弱さではなく、回復を支える仕組みの不足にある場合が多いのです。

周囲の社員にも広がる二次的ストレス

カスハラの影響は、当事者だけにとどまりません。怒鳴り声や長時間の対応を目にした周囲の社員も、強いストレスを受けます。いわゆる“二次的ストレス”です。

この状態が続くと、

  • 「次は自分かもしれない」という不安
  • トラブルを避けるための過剰な萎縮
  • チーム内の会話や笑顔の減少

といった変化が起きます。職場の雰囲気が重くなり、挑戦や提案が減ることで、生産性にも影響します。カスハラは一人の問題ではなく、組織全体の活力を削るリスクとして捉える必要があります。

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なぜカスハラ対策は形骸化しやすいのか

多くの企業がカスハラ対策としてマニュアルを整備し、相談窓口を設置し、研修も実施しています。それでも「現場は守られていない」と感じる声がなくならないのはなぜでしょうか。問題は“対策をしていないこと”ではなく、対策が組織の実態に合っていないことにあります。ここでは、カスハラ対策が形だけになってしまう典型的な構造を整理します。

マニュアルがあっても現場が動けない理由

マニュアルが整備されていても、現場が実際に活用できなければ意味がありません。多くの職場では、次のような状況が起きています。

  • 判断基準が抽象的で、現場で迷う
  • 「本当に断っていいのか」が分からない
  • 上司の承認が必要で対応が遅れる

こうした状態では、従業員は結局その場で穏便に済ませようとします。つまり、“書いてある対策”と“実際に取れる行動”の間にギャップがあるのです。マニュアルは存在するだけでは機能せず、現場が「これなら使える」と思える具体性と支援体制がなければ、形骸化してしまいます。

相談窓口が“心理的に”使われない理由

相談窓口の設置は重要な施策ですが、実際には利用されないケースも少なくありません。その背景には、制度的な問題よりも心理的ハードルがあります。

たとえば、

  • 相談しても何も変わらないと感じている
  • 「大げさだ」と思われるのが怖い
  • 上司に知られたくない

といった不安です。形式上は整備されていても、「本当に守られる」という実感がなければ利用は進みません。制度の有無よりも、“安心して使える”と感じられるかどうかが鍵になります。ここを見落とすと、対策は機能しないまま残り続けます。

「毅然と対応して」で終わる支援の限界

カスハラ対応において「毅然と対応することが大切」とよく言われます。もちろん方向性としては正しいのですが、それだけでは現場の負担は軽減されません。

従業員が本当に求めているのは、

  • トラブル時に上司がすぐに介入してくれること
  • 事後のフォローや面談があること
  • 再発防止策が共有されること

といった具体的な支援です。「毅然と対応して」と伝えるだけでは、責任が現場に押し戻されるだけになります。カスハラ対策を機能させるには、姿勢の表明だけでなく、行動と仕組みの設計が必要です。

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カスハラ対応が管理職の余力を奪い、マネジメントに影響する

カスハラの影響は、現場担当者だけでなく管理職にも及びます。トラブル対応が続くと、管理職の時間と心理的エネルギーが奪われ、本来注力すべきマネジメント業務が後回しになります。その結果、チーム全体のパフォーマンスやエンゲージメントにまで影響が広がります。ここでは、カスハラが管理職に与える影響の連鎖を整理します。

現場対応が優先され、育成や対話が後回しになる

カスハラが頻発すると、管理職は緊急対応に追われます。顧客への謝罪、状況確認、報告書作成、上層部との調整などに時間を割かれ、本来の役割である育成や1on1面談が後回しになります。

たとえば、

  • 定期面談の延期が続く
  • メンバーのキャリア相談に十分に向き合えない
  • チーム改善の議論が止まる

といった状態です。こうした状況が続けば、メンバーは「自分は後回しにされている」と感じやすくなります。管理職の意図とは裏腹に、マネジメントの質が下がっているように見えてしまうのです。

部下を守れない上司は信頼を失いやすい

カスハラ対応の場面では、部下が「上司がどのように動いてくれるか」を強く見ています。迅速に介入するのか、顧客側に立つのか、曖昧な態度を取るのか——その行動が信頼を左右します。

もし、上司が十分に支援できなかった場合、部下の中には「自分は守られていない」という印象が残ります。この印象は一度つくと、他の業務場面にも波及します。評価面談や指導の場面でも、「本当に自分の味方なのか」という疑念が生まれるのです。信頼が揺らぐと、エンゲージメントも低下します。マネジメントの基盤は能力よりも信頼関係であることを忘れてはいけません。

上司への不満が職場全体に波及する

上司に対する不満は、個人の感情にとどまりません。チーム内で共有されることで、組織全体の空気に影響します。

  • 「あの件、結局フォローなかったよね」
  • 「相談しても変わらないよ」
  • 「あの人は顧客側に立つから」

こうした会話が増えると、上司への信頼だけでなく、組織への信頼も揺らぎます。その結果、挑戦や提案が減り、チームの活力が下がります。カスハラ対応は単なるトラブル処理ではなく、管理職の信頼資本を消耗するリスクをはらんでいるのです。

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エンゲージメント低下を防ぐための“仕組みとしての支援”

カスハラ対策は、マニュアルを作ったり研修を実施したりするだけでは十分とは言えません。重要なのは、「困ったら会社が守ってくれる」という実感を現場に持たせられるかどうかです。エンゲージメントが高い職場では、従業員が安心して働ける仕組みが整っています。エンゲージメントそのものの考え方や向上施策については、以下の記事でも詳しく解説しています。
参考:「エンゲージメント向上の方法とは?社員のやる気を引き出す具体的な方法を解説」

カスハラ対策も、その延長線上にあります。仕組みがなければカスハラの影響は個人に集中し、離職や休職につながります。ここでは、カスハラによるエンゲージメント低下を防ぐために、人事が整備すべき支援の考え方を整理します。

企業として従業員を守る姿勢を明確にする

カスハラ対策でまず必要なのは、企業として「従業員を守る」という姿勢を明文化し、社内外に示すことです。現場が安心できるのは、対応マニュアルの存在よりも、会社が本気で支える意思を感じられるときです。

たとえば、次のような形で方針を明確にしておくと効果的です。

  • 理不尽な要求には応じないという基本姿勢
  • 従業員の安全・尊厳を守ることを優先する方針
  • カスハラが発生した場合の相談ルートの周知

この姿勢が曖昧なままだと、現場は「結局、顧客の言いなりになるしかない」と感じます。カスハラ対策の第一歩は、従業員を守ることが経営判断であると社内に浸透させることです。

属人対応にしないための組織設計

カスハラ対応が形骸化する企業の多くは、「現場のベテラン」や「強い店長」に頼った属人運用になっています。しかし、属人化は継続性がなく、担当者が疲弊すれば仕組みが崩れます。

属人化を防ぐためには、以下のような設計が必要です。

  • 対応判断を現場だけに委ねず、管理職や本部が支援する体制
  • 対応履歴を共有し、同じ相手への対応を繰り返さない仕組み
  • 現場が「すぐ相談できる」ルートを明確にする

ポイントは「現場が頑張れるようにする」ではなく、現場が頑張らなくても守られる構造をつくることです。組織設計が整うほど、従業員は安心して働けるようになり、エンゲージメントも安定します。

対応後のフォローを制度として組み込む

カスハラ対応で見落とされがちなのが「対応後のフォロー」です。トラブルが収まった瞬間に仕事が通常運転に戻ると、当事者は感情を処理できないまま疲弊し、次第にモチベーションを失っていきます。

具体的には、次のようなフォローを制度化することが重要です。

  • 対応後の面談(上司または人事による振り返り)
  • 必要に応じた休養・シフト調整
  • 重大案件はチーム全体で共有し再発防止を議論する

カスハラは、従業員の尊厳を傷つける出来事です。だからこそ、フォローを「善意」や「気遣い」で終わらせず、制度として再現性を持たせることがエンゲージメント維持につながります。

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カスハラ対応で重要になる「上司の支援」とは

カスハラ対策を制度として整えても、現場のエンゲージメントが回復しない企業は少なくありません。その違いを生むのが、上司(管理職)がどのように関わっているかです。従業員が「守られている」と感じるかどうかは、制度の存在よりも、日常の支援行動によって決まります。ここでは、カスハラ対応における上司の支援の重要性と、組織として改善につなげる考え方を整理します。

カスハラ対応で差が出るのは上司の支援行動

カスハラが発生したとき、従業員が最も気にするのは「会社がどう動くか」ではなく、まず目の前の上司がどう動くかです。上司の支援行動が早く明確であれば、現場は安心して対応できます。一方、支援が遅れたり曖昧だったりすると、「結局ひとりで抱えるしかない」という感覚が残ります。

支援行動の具体例としては、次のようなものがあります。

  • トラブル時に即座に介入し、現場を一人にしない
  • 顧客に対して会社の方針を代弁し、従業員を守る
  • 対応後に声をかけ、必要なフォローにつなげる

こうした行動が積み重なることで、従業員の中に「この職場なら安心して働ける」という信頼が生まれます。カスハラ対策の実効性は、上司の支援があるかどうかで大きく変わります。

現場の声が届いているかを測る方法

カスハラ対策が機能しているかを判断するには、トラブル件数だけを見ても不十分です。なぜなら、職場によっては「相談しても無駄」と感じて報告が上がらず、表面上は件数が減っているように見えるケースもあるからです。

重要なのは、現場が安心して声を上げられているかを測ることです。具体的には次のような観点が有効です。

  • カスハラの相談件数が適切に上がっているか
  • 対応後のフォロー面談が実施されているか
  • 従業員が「会社は守ってくれる」と感じているか

このような情報は、単なる報告書では拾いきれません。現場の温度感を把握するには、定期的なアンケートや面談を通じて、声を拾う仕組みを持つことが重要です。カスハラ対策は、「起きたら対応する」だけでなく「職場の信頼を維持できているか」を確認することが欠かせません。

360度評価を改善の仕組みに活かす考え方

上司の支援行動は、本人の自覚だけでは改善が難しい領域です。カスハラ対応では、「支援しているつもり」と「現場が実際に支援を感じているか」の間にギャップが生じやすく、このズレが放置されると不信感につながります。だからこそ、現場の実感を定期的に把握し、改善につなげる仕組みが必要になります。

360度フィードバックは、その実態を可視化する手段の一つです。重要なのは、結果そのものではなく、そこから何を学び、どう行動を変えるかにあります。カスハラ対応における支援が機能しているかを確認し、必要に応じて関わり方を見直していく。そのプロセスを回せるかどうかがポイントです。

たとえば、次のような観点を設計できます。

  • 困ったときに上司へ相談しやすいと感じているか
  • 上司は現場を守る姿勢を示しているか
  • トラブル後にフォローや振り返りの機会があるか

こうした声を定期的に把握し、対話の材料として活用することで、カスハラ対策は“制度”から“実践”へと進みます。360度評価は、上司の支援が現場に届いているかを確認し、改善を回し続けるための仕組みとして位置づけるのが現実的です。

まとめ

カスハラは単なる顧客対応の問題ではなく、放置すれば従業員の不信感や心理的安全性の低下を招き、エンゲージメントを大きく損ないます。さらに、離職・休職の増加や管理職の疲弊にもつながり、組織全体の生産性や職場環境を悪化させるリスクがあります。重要なのはマニュアル整備だけで終わらせず、企業として従業員を守る姿勢を明確にし、属人化しない支援体制を整えることです。上司の支援行動を可視化し、継続的に改善を回すことで、カスハラに強い組織づくりにつなげましょう。

FAQ(よくある質問)

Q1. カスハラ対策でまず整えるべき“最低限”は何ですか?
まずは「従業員を守る」という方針を明確にし、相談ルートと初動の対応基準を社内で共有することが最低限です。 マニュアルを用意しても、現場が「どこまで対応してよいか」「いつ上司や本部にエスカレーションするか」が曖昧だと動けません。 併せて、管理職が介入するタイミング(例:暴言・長時間拘束・人格否定など)を決め、現場任せにならない体制にするのがポイントです。
Q2. 相談窓口を作ったのに利用されません。なぜですか?
相談窓口が使われない主な理由は「相談しても変わらない」「大げさだと思われそう」「周囲に知られるのが不安」といった心理的ハードルです。 制度の有無よりも、相談後に具体的な対応が行われること、相談者が守られること、現場にフィードバックが返ることが重要になります。 小さな相談でも受け止め、対応結果を可能な範囲で共有することで「使っていい場所」だという信頼が育ちます。
Q3. カスハラが続くと、なぜエンゲージメントが下がるのですか?
カスハラが放置されると「会社は守ってくれない」という認知が広がり、心理的安全性が低下して発言や相談が減ります。 その結果、問題が表に出にくくなり、現場の疲弊が慢性化しやすくなります。 さらに管理職の余力も削られ、育成や対話が後回しになることで信頼関係が弱まり、職場全体の雰囲気やモチベーション低下に波及します。

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