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360度サーベイとは?人事担当者向けに導入背景・メリット・成功のポイントを解説

公開日:2024.06.10 更新日:2025.12.18 360度フィードバック
360度サーベイ

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360度サーベイは、上司・同僚・部下など複数の視点からフィードバックを集め、個人の気づきや行動改善につなげる人材育成施策です。近年は、リモートワークの普及や組織のフラット化を背景に、従来の人事評価だけでは把握しきれない行動や関わり方を可視化する手法として、多くの企業で導入が進んでいます。
本記事では、人事担当者向けに、360度サーベイが注目される背景やメリット、導入を成功させるためのポイント、具体的な事例までを整理し、実務に活かせる視点で解説します。

360度サーベイとは

360度サーベイとは、上司だけでなく同僚や部下など、複数の立場からフィードバックを集める評価手法です。一般的に「360度評価」「多面評価」とも呼ばれ、人事評価というよりも、人材育成や行動改善を目的とした仕組みとして活用されるケースが多く見られます。
被評価者の日常行動を多面的に捉えることで、従来の評価では見えにくかった強みや課題を可視化し、成長につなげる点が特徴です。

360度サーベイの特徴

360度サーベイの最大の特徴は、評価者が上司に限定されない点にあります。
被評価者を中心に、同僚や部下、場合によっては他部署の関係者など、日常的に関わりのある複数の視点からフィードバックを集めます。
これにより、特定の上司の主観に偏らず、実際の行動や振る舞いに即した評価が可能になります。

従来の人事評価との違い

従来の人事評価は、昇進や報酬といった処遇判断を目的とするケースが多く、評価者も上司一人に限られることが一般的でした。
一方、360度サーベイは処遇を決めるための評価ではなく、育成を前提としたフィードバックが中心です。
成果や数値だけでなく、コミュニケーションの取り方やチームへの関わり方など、行動面に焦点を当てる点が大きな違いといえます。

人材育成に大きな効果が得られる

360度サーベイは、人材育成において特に効果を発揮します。被評価者自身も自己評価を行い、他者評価との認識ギャップを把握できるため、自身の強みや改善点を客観的に捉えやすくなります。
「自分ではできていると思っていた行動が、周囲からはそう見えていなかった」と気づくことが、行動変容のきっかけになります。

評価結果を踏まえたフィードバック面談を行う

360度サーベイは、実施して終わりではありません。重要なのは、結果を踏まえたフィードバック面談です。上司と部下が対話を通じて評価内容を整理し、今後の行動目標や成長テーマをすり合わせることで、サーベイが実践につながります。
一方的に結果を伝えるのではなく、相互理解を深める場として活用することが、制度を定着させるポイントです。

なお、360度サーベイの結果を活かすためには、1on1の場でどのようにフィードバックを伝えるかも重要です。具体的な進め方や注意点については、「1on1で伝えるフィードバックの基本と実践ポイント」の記事も参考になります。

また、フィードバック面談では、内容だけでなく「どのような言葉で伝えるか」も重要になります。
ポジティブ・ネガティブ双方の伝え方を具体例で確認したい場合は、「【例文つき】フィードバックの伝え方|シーン別にポジティブ&ネガティブな表現をご紹介」の記事も参考にしてください。

360度サーベイが導入されている背景

近年、360度サーベイを導入する企業が増えています。その背景には、単なる評価制度の見直しではなく、働き方や組織構造そのものの変化があります。
従来のように上司一人が部下を把握・評価する前提が成り立ちにくくなり、複数の視点から行動を捉える必要性が高まっているのです。

リモートワークなど働き方が多様化している

リモートワークやフレックスタイム制の普及により、上司と部下が同じ時間・同じ場所で働く機会は大きく減少しました。
その結果、マネジメント上、次のような課題が生まれています。

  • 日常的な仕事ぶりや関わり方が見えにくい
  • コミュニケーション量の偏りが起きやすい
  • 上司の主観に評価が寄りやすい

こうした環境では、上司の視点だけでなく、同僚や関係者の声を取り入れることで、実際の行動や周囲への影響を立体的に捉えられる360度サーベイが有効な手段となります。

組織のフラット化が進みマネジメントの方法も変わっている

組織のフラット化が進む中で、マネジメントに求められる役割も変化しています。
指示・管理中心のスタイルから、部下の主体性を引き出す支援型マネジメントへと移行する企業が増えています。

このような環境では、

  • 周囲への関わり方
  • チームへの影響
  • 安心して意見を言える雰囲気づくり

といった要素が、マネジメントの重要な評価軸になります。
特に、心理的安全性は組織パフォーマンスに直結する要素として注目されており、
詳しくは「心理的安全性とは?高める方法やメリット」の記事でも解説しています。

360度サーベイは、こうした目に見えにくい行動や関係性を可視化し、フラットな組織におけるマネジメントを支える仕組みとして、その重要性が高まっています。

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360度サーベイのメリット

360度サーベイには様々なメリットがありますが、下記では特に重要なポイントに絞って詳しく解説していきます。
360度サーベイを導入することで、組織と個人にどのような良い影響があるのか、参考にしてみてください。

・多角的な視点で個人の強みと弱みを把握できる
・自己認識のズレを発見し、成長機会に繋げられる
・メンバー間のコミュニケーション活性化につながる
・組織の課題や改善点が明確になる

多角的な視点で個人の強みと弱みを把握できる

360度サーベイでは、被評価者の普段の仕事ぶりや人柄について、多面的な情報を得ることができます。上司の目線だけでは気づきにくい、その人の隠れた才能や、改善すべき点が分かるようになるのです。

例えば、営業部のAさんは、上司から見ると「営業成績が優秀」という評価を受けているかもしれません。

それに加え、同僚からは「Aさんは営業先からの無理な提案を、嫌な顔をしないで引き受けている」というようなコメントがあるかもしれません。
こういったように、上司が見ていない被評価者の日頃の仕事ぶりについて、多くの情報が得られます。

自己認識のズレを発見し、成長機会に繋げられる

自己評価と他者評価のギャップに気づくことができる点もメリットです。自分では「うまくやっている」と思っていても、実は周りからはそう思われていないかもしれません。

360度サーベイはこういった自己認識のズレを見つけて、成長の機会につなげることができるのです。

例えば、営業部の管理職であるAさんは、自分では「部下とのコミュニケーションを大切にしている」と評価していたとしても、部下からのフィードバックを見てみると、「もっと話しかけてほしい」「困ったときに相談しづらい」といったコメントがあるかもしれません。

この評価を見ることで、Aさんは自分の認識と部下からの評価にギャップがあることに気づくことができます。
360度サーベイは、「周りからこう見られていたのか」と自身の行動を客観的に振り返ることができるのです。

メンバー間のコミュニケーション活性化につながる

メンバー間のコミュニケーションが活性化することもメリットのひとつです。

普段は言いにくいことも、フィードバックを通じて伝え合うことで、お互いの理解が深まり、よりオープンなコミュニケーションにつながるのです。

360度サーベイで「もっと◯◯さんと話す機会があればいいのに」という同僚のコメントを目にしたことで、「自分からも積極的に話しかけよう」と思うようになるかもしれません。

ほかにも、「◯◯さんは、仕事の指示は的確だが、ときどききつく感じることがある」といったフィードバックがあった場合、このコメントを受けて、「部下の気持ちを考えながら、言葉を選んで伝えることが大切だ」と気づくかもしれません。

組織の課題や改善点が明確になる

従業員の能力や行動を多角的な視点から評価することで、組織の課題や改善点が明確になります。

例えば、リーダーシップやコミュニケーション、チームワークなどを評価することで、その従業員の強みと弱みを明確にできます。部下からは上司のマネジメントスキルについてのフィードバックが得られ、同僚からは協調性についての気づきが得られることがあります。

こうした多面的な評価を踏まえ、以下のようなことが見えてきます。

・リーダーシップ研修が必要な管理職が多い
・部署間のコミュニケーションが不足している
・チームワークの意識が低い従業員が一定数いる

360度サーベイの結果から浮かび上がった課題に対し、人材育成や組織開発の施策を打つことで、組織力の強化につなげることができます。

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360度サーベイ導入を成功させるポイント

360度サーベイを効果的に機能させるためには、制度設計以上に導入時の考え方と運用プロセスが重要です。特に、人事評価ではなく育成施策であることをどう伝え、どう定着させるかによって、成果は大きく変わります。ここでは、現場で混乱を生まないために押さえておきたいポイントを整理します。

目的と活用方法を明確にし、社内で共有する

導入時に最初に整理すべきなのは、360度サーベイの目的と使い方です。
目的が曖昧なまま進めると、「評価される制度」という誤解を生み、率直な回答が得られなくなります。

特に、以下の点は事前に明確にしておく必要があります。

  • 人材育成・行動改善を目的とした施策であること
  • 結果は処遇や査定に直接使わないこと
  • フィードバックや1on1を通じて成長につなげるために活用すること

これらを導入説明の場で丁寧に共有することで、参加者の心理的ハードルを下げ、制度への納得感を高められます。

評価者・被評価者への事前レクチャー

360度サーベイでは、評価者の理解度が結果の質に直結します。
そのため、実施前に簡単でもよいのでレクチャーの場を設けることが重要です。

例えば、評価者には次のような観点を共有します。

  • 個人の好き嫌いではなく行動事実をもとに回答する
  • 人格評価ではなく具体的な振る舞いに着目する
  • 改善を促す視点でフィードバックする

被評価者に対しても、結果の見方やフィードバック面談の流れを事前に伝えておくことで、不安や抵抗感を軽減できます。

なお、360度サーベイでは評価者の理解度が結果の質に直結します。
評価者研修や考課者訓練の考え方については、
考課者研修とは|目的・必要スキル・研修内容・実施方法までわかりやすく解説
の記事も参考になります。

トライアルを通じて運用方法を確認する

360度サーベイは、いきなり全社導入するよりも、小さく試して改善する方が成功しやすい施策です。

トライアルでは、次のような点を確認できます。

  • 評価項目は現場の実態に合っているか
  • 回答負荷が過度になっていないか
  • フィードバックの伝え方に課題はないか

実施後の振り返りをもとに設問や運用ルールを調整することで、自社に合った形にブラッシュアップできます。
こうした段階的な導入が、360度サーベイを一過性ではない育成施策として定着させるポイントになります。

360度サーベイの導入事例

360度サーベイは近年多くの企業で導入が進んでいますが、いざ自社に取り入れるとなると、うまく運用できるか不安になることも多いはずです。
そんな時は、先行事例から学ぶのがおすすめです。

ここでは、株式会社シーベースが提供している「CBASE 360°」の異なる業界での下記企業の実践的な導入事例を通じて、360度評価が企業文化や組織運営にどのような影響を与えているのかを解説していきます。

株式会社ぐるなび

飲食店の情報サイトで有名な「ぐるなび」では、2019年から360度サーベイを導入しています。
なお、リモートワーク環境下でのマネジメント課題と360度フィードバックの活用については、
株式会社ぐるなび様の導入事例でも詳しく紹介されています。

きっかけはマネジメント力の向上と社員の気づきを促すためで、特にコロナ禍でリモートワークが増える中で、マネジメントがしっかりできているかをチェックする狙いもあったそうです。

ぐるなび社が360度サーベイに期待したのは、以下のような点です。

・社員一人ひとりの気づきと行動変革
・企業理念の実践度合いの確認
・社員の心理的安全性の確保
・働き方改革の推進

つまり、自分の強みや弱みに向き合い、理念に沿った行動を促す。職場の人間関係も良好に保ちながら、新しい働き方を根づかせる、そういった変化を期待して360度サーベイを導入しています。

導入時に特にこだわったのが、評価項目の設定だったそうです。ぐるなび社の企業理念に基づいて、各役割に求められる行動を具体的な評価項目に落とし込んでいます。

また、運用面では回答の選択肢を5段階から4段階にしてシンプルにしたり、回答者の匿名性を徹底して守ったりと、細かな配慮を行っています。率直なフィードバックを引き出しつつ、リスクを最小限に抑えるように工夫されているのです。

株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワードでは、事業拡大に伴いマネジメント層の強化が課題となっていました。
リーダー合宿と360度フィードバックを組み合わせた取り組みについては、
株式会社マネーフォワード様の導入事例で詳しく紹介されています。

新卒・中途を問わず、様々なバックグラウンドを持つ社員が増える中で、マネジメントのクオリティをどう担保するかを考えている中で行ったことが、リーダー向けの合宿と、その一環としての360度サーベイでした。

また、360度サーベイの評価者を参加者自身が選ぶようにしています。自分のことをよく知る上司や同僚、部下を選ぶことで、より的確で納得感の高いフィードバックを得られる狙いがあったようです。

合宿後のアンケートを見ると、多くの参加者が「新たな気づきがあった」と答えており、その気づきを具体的な行動変容につなげている例も数多くあるようです。

このように、360度サーベイを研修など他の施策と連携させることも非常に効果的です。

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360度サーベイのまとめ

360度サーベイは、上司・同僚・部下など複数の視点からフィードバックを得ることで、本人の気づきや行動改善を促す育成施策です。
単なる評価手法ではなく、マネジメント力の向上や組織開発につなげるための仕組みとして活用することで、より大きな効果を発揮します。

本記事のポイントをあらためて整理すると、以下の通りです。

  • 360度サーベイは、多様な立場からのフィードバックを通じて行動や関わり方を可視化する仕組みである
  • 自己認識のズレに気づくことで、個人の成長や行動改善につなげやすい
  • コミュニケーションの質向上や、組織課題の把握・改善にも寄与する
  • 導入時は、人事評価ではなく育成目的であることを明確にし、社内で共有することが重要
  • 評価者・被評価者への事前レクチャーや、トライアルによる運用確認が、制度定着の鍵となる

360度サーベイは、個人の成長支援にとどまらず、組織全体のマネジメント力や関係性の質を高める施策でもあります。
その効果を最大化するためには、人事部門が中心となり、制度設計からフィードバック活用、フォローアップまでを一貫して支える視点が欠かせません。

FAQ(よくある質問)

Q1. 360度サーベイ(360度評価)はどのような目的で活用するものですか?
360度サーベイは、上司・同僚・部下など複数の視点からフィードバックを集め、本人の気づきや行動改善につなげることを主な目的としています。 強みや課題を客観的に捉え、マネジメント力やコミュニケーションの質を高めるための育成施策として活用されるケースが一般的です。 フィードバック面談や1on1と組み合わせることで、日常の行動変容につなげやすくなります。
Q2. 360度サーベイの評価項目はどう決めればよいですか?
成功のポイントは、抽象的な能力名ではなく、日常行動に落とし込める項目にすることです。 例えば「情報共有の頻度」「相手の意見を引き出す姿勢」「指示の出し方」など、評価者が実際に観察できる行動が適しています。 役割(管理職・リーダー・メンバー)ごとに期待行動を整理し、重要な項目に絞ることで、回答の質も高まります。
Q3. フィードバック面談で気をつけるべき点は何ですか?
フィードバック面談では、結果を「良い・悪い」で判断するのではなく、次にどのような行動を取るかに焦点を当てることが重要です。 まず本人の自己評価を確認し、他者評価とのギャップを一緒に整理することで納得感が高まります。 最後に、具体的な行動目標を1〜2点に絞って合意し、次回の1on1などで振り返る設計にすると、実践につながりやすくなります。


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HRコラム編集部

「CBASE 360°」は、株式会社シーベースが提供するHRクラウドシステムです。経営を導く戦略人事を目指す人事向けのお役立ち情報をコラムでご紹介します。

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